【ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団】感想・考察|2週目クリア後のガレ地下ストーリー感想・考察

今回は、『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団」を2週クリアし、『ガレリアの地下迷宮と魔女ノ旅団 公式アートブック』を読破したうみぴよが、伏線などを考察しながら感想を書いていきます。『日本一ソフトウェア』さんは基本収益化NGみたいなので、今回はスクショやアフィリエイト広告は無しでお送りします。

げむぺん

初見プレイ日記や感想はたくさん見るけど、2週目視点での感想はあまり見ないなって思って。見たかったから作った記事なんだよ。

うみぴよ

特に、散りばめてある伏線回収や設定などに焦点を当てて書いています。とは言え私もただのゲーマーなので、間違った考察や勘違いの感想を書いているかも知れません。それでも、考察のヒントとなる読み物として楽しんでいただければ幸いです。

以下、ネタバレしまくっているので、未クリアの方は閲覧には注意して下さい。できればクリアしてから見て欲しいと願っています。

目次

イベント見返しに対応した、ガレ地下ストーリー感想

というわけで、イベント見返し機能を使って、感想を書いていこうと思います。本当は2週目をプレイしながらの日記形式にしたかったのですが、ゲームを純粋に楽しみたい気持ちが勝ってしまいました。それに、可能ならストーリーに焦点を当てて書きたかったので、こういう形になりました。

うみぴよ

クリアした人が見ている想定なので、イベントのあらすじは簡略化しています。あと、書き切ることを目標にしたので、デザインなどがちょっと読みにくいかも知れません。

"黄金の卵"を産むニワトリ

最初から結構意味深な始まりですよね。「同じような因果を持った世界」とは、アルステラとアルムーンのことだと思ったのですが、次のシーンがいきなりどの場面か解りづらいですね。アルステラ最初の、ナチルがコウレイトウを呼ぶところかなと思ったのですが、台詞が微妙に違うんですよね! これは、本編とは違う、同じような因果を持つ「別世界」なのかもしれません。これは考えても答えが出なさそうなので(そして本編には関係無さそうなので)一旦置いておきます。

それから、黄金の卵を産むニワトリの話。喋っているのは、後半と同じくナチル(またはオババ様)だと思います。これは恐らく、黄金の卵=(カテドラルに行く前の)永遠に続く幸せな世界、鶏の腹を引き裂く=カテドラルでナチルを助け出し、理想の世界が創り出されることに賭ける、ということでしょう。新しい理想の世界なんて生まれないかもしれないけれど、敢えて幸せな世界を壊すことは、そんなに愚かなことなのだろうか、と。

ここがガレリア宮なのね!~"奇品"の回収へ

ここからはじまる物語は、「贋作のアルムーン」つまり、本物ユリィカの残した日記から作られた世界。最初に現れる丸い光は、月の紋章、つまり「アルムーン」の紋章です。
ユリィカがここに来たのは、オババ様(マダム・マルタであり本物のナチル)がこっそり文面を書き加えた張り紙を見たからですね。「失セ物探シガ得意」「"マーガレット"ニツイテ詳シイ」辺りの「読みにくい文字」はオババ様の文字なのでしょう。後半のストーリーでオババ様は、ユリィカをきっちり呼び出したほうがいいかもしれない、と言っていましたから。ユリィカが張り紙をきちんと折りたたんで入れているのは、オババ様かユリィカがそう望んだから、なのかなあ(本物アルムーンでは書類ぐしゃぐしゃ)。
ペリコが早速現れますが(最初っから見つかっちゃってる! 多分霧のヴェールでもユリィカには視えちゃうのでしょう)、ちゃんとオババ様に言われた通り、噛み付いていますね。それから現れるオババ様、まずは、自己紹介するならフルネームを言うもんだよ、と、さらりと警告してくれています。ビスマン卿に理不尽に叱られるのを避けるためですね、オババ様、優しい。
オババ様は自分の名を(目を泳がせながら)「マルタ・マカロナージュ」と名乗ります。マダム・マルタという名は、貧困街「マルタ区」のマダムというところからですが、マカロナージュは…ナチルはマカロンが好きだからですね、きっと。

そのあとユリィカに「変わらないねえ」なんてつい口にしたりしつつ、オババ様は「試験」を始めます。これは、居場所のわからなくなっていた「彷徨える魂」をユリィカに探して貰って、そのままユリィカに再降霊させちゃおう、というオババ様の計画です。降霊が二度目だからなのか(コウレイトウの時間軸としては一度目ですが)、ウィジャ盤があるからなのか、ユリィカの頭が空っぽに近いからなのか(?)はわかりませんが、この時の降霊では軟膏とか蝋燭とかは要らないんですよね。あれ、魔術書を書いた人のお遊びだったらどうしよう。降霊のための呪文はほぼナチルのときと同じ。無事ユリィカを憑代として降霊できた「彷徨える魂」コウレイトウとユリィカは、ガレリアの地下迷宮を探索することになるのでした。オババ様はユリィカに奇品を触らせないように、かなり怖がらせていますね。ちなみにここでオババ様が作った人形兵の名前は「キット」「ネリ」「マルク」「クラリス」「ドリス」です。

人形兵達は全滅し、ユリィカの呼びかけで無事コウレイトウは戻ってきました。ユリィカはコウレイトウと共にちゃんとした人形兵を作り、迷宮から奇品を回収する仕事をすることになります。オババ様はここでも「(ガレリア)雑貨店」を営むのですね。地下迷宮について色々知っているのは(オババ様のでっちあげの可能性もありますが……)ユリィカが来るまでに情報収集してきたからでしょう。ユリィカが「地下には穴があって」人形兵達が進めなさそう、と教えてくれたのですが、ここでオババ様はコウレイトウが能力0であることを確信します(能力0だと「気づいた」のはここより前)。それで、予め用意していた「ジャンプ」等(多分簡単な部類の能力)の羊皮紙を降霊灯にくべて、能力を与えたのでしょう。コウレイトウにどんな能力が足りないのかは、ユリィカの報告を基に思い出していく、という感じかと。

ユリィカのガレリア宮探訪~迷宮のより奥へ、そして依頼メモ

1つ目の奇品を手に入れたところ。オババ様は、奇品に触らないようにもう一度念を押しています。ここのトバは素のトバですね(コーラルサリィが憑依している時には、珊瑚色のピアスをしているので)。そのあとユリィカが見ている"夢"は、「陽の巫女」の予知夢ですね。壁を壊すことをユリィカが思いついたのも、多分予知の能力でしょう。そうして「壁壊し」で見つかる目録は、オババ様が隠しておいたものですね。もともと目録は書棚にあったということなので。

ここで伯爵(ビスマン卿)登場。予知夢通りの自己紹介。「またソレイユからですか」という台詞は、オババ様がユリィカを呼ぶため、ソレイユに張り紙を張りまくったからなのでしょう。九つの奇品の話は、伯爵もオババ様も知っていることですが、ユリィカ(や1週目のコウレイトウ)には意味不明で「?」マークが浮かんでいます。
食事の場で伯爵が話してくれたガレリア公の話は、流れは正しいですが細かいところはやっぱり違いますね。ユリィカがお屋敷の子ども(ペリコ)の話をしてるときのオババ様……内心ヒヤヒヤだったでしょう。あと、伯爵が「北東の納戸」と「森の廃教会」に行ってはいけないと言ってますが、廃教会の立ち入りを禁じた理由は、やはり自分の正体が知られる可能性があるから、なのでしょう。

炊事場でトバが言っている「子どもの霊」は、やっぱりロマールなのでしょうか、いや、物音はこの世界で潜んでいるナチルのものかもしれません。足音はペリコかも。これも予知夢だったのだと思いますが、実際のトバとの会話は省略されて、ユリィカはそのまま大釜を取りにカヤックの家へ。途中で会ったパッチと一緒に居るロマールを、ユリィカは普通に認識していますね(パッチやロマールもちょっと驚いてる様子)。コウレイトウの地下での体験が視えているのと同じように、陽の巫女は「視る」力が強いのです。ガレリア公が行方不明って話や、人面鳥(ツェツェーリア)の噂もちらりと出ていますね。クッキーあげたときのロマールさんは戸惑い最高潮です(でもちょっと嬉しいのかも)。ここで出てくるカヤックも素のカヤックっぽいです(マルクが憑依している時には、目が青い)。ここのカヤックは親切だし、まあ極悪人では無いんですよね。

そのあとのトバとカヤックの会話。ここで言う「ばれた」事は、ガレリア宮のものを少しずつ盗んでた事でしょう。そのあと特異性奇品が見つからない、扉の謎を解く、という話では、天井裏で猫じゃなくナチルが物音を立てているっぽいです。後室、というかアプスで聞こえた声の主は、ガレリア公ですね。今までの迷宮で会話してたのはガータンでしたが。

インチキ、その後、高貴な女性と侍女~屋根裏の住人ナチル

ルヴァリエールとケイがやってきますが、ここでは名を名乗らず。オババ様は、さりげなくルヴァリエールの容姿を褒めたりして、印象を良くする工夫をしていますね。ケイが聞いた「なにか目立った出来事」は、子どもの死が噂になってないか、とか、そういう類の事を聞きたかったのでしょう。ここでオババ様が「罪人吊るしの木」の話をしたのが、のちにケイが首を吊る時あの場所を選んだ一因かもしれません。

炊事場では、パッチが鳥を捕まえてきてる! 今まで全然気づいてませんでした。トリニクちゃんだ! ペリコは……普通に姿見られてるじゃないか! もう霧のヴェールを使うことは諦めたのかも。ここでのパッチとロマールの会話を、トバは「パッチとイマジナリーフレンドの会話」だと思ってるんですね。それは色々心配でしょうね。トバの「何であたしが……」の続きは、(何で)パッチの面倒を見てるんだろう、ってことですね。ガレリア宮で働いていることも含めて、コーラルサリィがしたことだから、知らなくて当然なのですが、そりゃ不思議でしょうね。
そしてここでオババ様、ユリィカにさらっと金色の魔法薬を飲ませます。居眠りしても、目が覚めるように……。これはほぼ不死身になる薬、エリクシールですね!

ビスマン卿に会いに来たルヴァリエール。ルヴァリエールが「消したい」のは、顔のシワかな。若返りたい、と。ルヴァリエールの「噂」とは、庶民(娼婦)出身である事でしょう。 オババ様がタリスマンを作ったときに、ユリィカが「?」なのは、オババ様の咳についてかな。ストーリーを2週した今となっては、オババ様の咳が当たり前になりすぎてて解りづらかったです。その後、黒猫のクロに憑依したコウレイトウが、屋根裏に居るナチルを驚かせて下に落としてしまいます。オババ様、過去の自分が何してたか知っててナチルの弱みを握るの、強い。ナチル初登場ですが、名前を最初ビスコッティって名乗っています。これは、別作品『魔女と百騎兵』のファンサービスもあるだろうし、ナチルは咄嗟に偽名を作るとお菓子の名前を付けちゃう、って事なのかも。オババ様のマカロナージュもだし。

特異性奇品入手と、若返りの薬~ネコの散歩と、傀儡兵ミラマキーナ

とうとう特異性奇品1個目「テストラント」ゲット。オババ様は、コウレイトウには少し素を出してる気がします。その後のビスマン卿は、特異性奇品の性質上はしゃぐ気持ちにはなれないだろうなあ(ビストの子供達の魂を使った奇品ですし)。その後ルヴァリエールにオババ様が秘術を施している間に、ユリィカが会っているのはコーラルサリィが憑依しているトバですね。うーん、昨夜予期してない腰を悪くする何かがあったのかなあ。カヤックにはマルクが入って無かったのかもしれません。ユリィカが実家に送金したいというのも、オババ様はお見通しです(過去の記憶から)。

特異性奇品2つめは「古代エスト硬貨」。子どもが産めなくなる呪い(死の呪い)がかけられていると言っていますが、恐らくオババ様の嘘かなぁと。トマースが持って行かないように(ユリィカがトマースに渡さないようにも含め)絶対触りたくないような呪いで脅しているのだと思います。
ここでオババ様はユリィカに、「こちらには戻らなくていい」とペリコへ伝えるおつかいを頼みます。そのころペリコは「指輪」を取られてパッチとけんかしています。この「指輪」は、アートブックによると、元々ビストがツェツェーリアに作った結婚指輪で、それがナチル→ペリコと渡ったみたいです。魔力が多く、ペリコはこれが無いと動けなくなっちゃうんですね。ユリィカが握っていた「石」は、恐らくビストが結婚指輪に使った「石」と同じ種類のものなのでしょう。帰ってきたユリィカを慰めるオババ様は優しい。
そのあとユリィカの見た「予知夢」では、恐らく本当のアルムーンでトリニク(ここではルゥちゃん)が死んでしまったときのことと、色々責められる様子(これは多分本当にユリィカが見てる夢かなぁ)が見られます。ナチルが食べちゃったチョコは、ユリィカが「どうしても家に帰りたくなったときに自分をはげますためのご褒美」だった筈なので、うーん、さすがに悲しいだろうなぁ。

ペリコに、「石が変化した指輪」を渡してあげるユリィカ。指輪を探し出して石と入れ替えたのはオババ様です。ペリコのいう「あいつ」は……ユリじゃなくてウールーかな? 初雪に対するペリコの反応は、アルステラでのTOを思い出して少し切ない。ユリィカがナチルを「ナっちゃん」と呼ぶのはオババ様の入れ知恵だと思いますが可愛いですね。ここでの会話はずっと、「自分のこと」を知っているオババ様が一枚上手です。ナチルがダークライトを覚えさせてくれたときのオババ様、ちょっと強がってるの(こんな簡単な魔法をすっかり忘れてたよ、みたいな)がナチルっぽくて可愛いですね。ここのナチルのドヤ顔もいい。

探索を手伝ってくれてるナチル。コウレイトウが何故ユリィカに憑いているのか気になってますね。本来なら(本物アルムーンでも)あり得ないことですから。贋作世界のナチルは、自分のコウレイトウは連れて来られなかったんだろうなぁ。
さて、サクッとコウレイトウの問題を解決するナチル。でもオババ様をディスるのはブーメランですよ! パンをわけてあげるユリィカは本当に純粋で優しい、だからこそナチルも内心では好きになっていったんでしょうね。にも関わらず、人面鳥や死んだ子どもの噂を混ぜてユリィカを怖がらせるナチル。この辺、「青髭」をモチーフにしてるって事で、結構怖い雰囲気(昔、名作劇場の青髭を見てトラウマな私)。納戸行ってナチルは伯爵(多分人形)を見てしまいます。ドアをガチャガチャやってるのも多分伯爵かな? そのあとの予知夢は本物アルムーンでの出来事ですね。

次は黒猫視点。このトバとカヤックはコーラルサリィとマルクなのですが、妖しい会話をしてるようでいて、実はマルクが憑依を維持するために「魔力補充」のメンテナンスを頼んでいるシーンだと思います(マルクは無理矢理憑依しているので、そうしたメンテが必要だとアートブックに書かれていました)。前みたいに泣くことになる(マルクがいないと)、って言ってるのは、前回コーラルサリィが言ってた腰を悪くする出来事かもしれない……。ちょこちょここういうネタを仕込んで来るなぁ。一方ユリィカは、伯爵もオババ様もいないので再びナチルに色々手伝ってもらいます。ナチルは魔法に関しては本当に優秀ですね。ポルさん(母のことだし、「ポルカ」はナチルの本名なんだけど)のことも全面的に信頼している様子。

日刊カルチエ新聞の記者来訪~ノートン卿と新聞記者、そして村へ

ここでトマース登場で、個人的には不穏な気分です。そのあとにはケイさん。帰ってきたオババ様とペリコですが、ここのナチルと初顔合わせのペリコが「あち!」(またはナチ)って言いそうになってますね。2度目に見たらわかりやすいですが、1週目では全然意味がわからないシーンですね。あと、3つめの特異性奇品である「ガラヤのネジ」のことをオババ様が知っていた(忘れられない)のはわかるのですが、ガラヤのネジ、ユリィカはエントランスまで持って来ちゃってたのかな? それともオババ様、マナの雰囲気とかで離れていてもガラヤのネジってわかったのかな。

特異性奇品も4つ目「スーヤの手鏡」。性器が腐り落ちる呪いとの事ですが、恐らくこれはオババ様の嘘でしょう。伯爵がこの鏡を見たら、恐らく人形に戻って大変なことになるので、それを防ぐためにそう言ったのかなと。
色々あってノートン卿がいらっしゃいます。痛風を治すために来たのですが、とってもおしゃべり。オババ様はユベール王子が来ないように色々手を回していたのですが、その代わりにノートン卿が来てしまったのですね。まったく「あちらを立てればこちらが立たず」です。オババ様が、完全な解決は目立ちすぎる、と言っていますが、本物アルムーンではルヴァリエールが本当に若返って世継ぎを欲しがったり、大変でしたからね。

今度はノートン卿とトマースが会話してますね。この世界で二人が会ったのはここが初かな? ノートン卿はトマースが「気になってる」んでしたよね。その後のオババ様の会話で、どうやらペリコはカヤックに品物の代金を払ってなかったことが発覚。だから前回パッチに泥棒呼ばわりされてたんですね。そのあとのナチルとペリコの会話は、多分指輪のことを聞かれたのかなと。ナチルにとっては自分が持っていたはずの指輪だし。なんだかんだでカヤックの所に来て葡萄などを分けて貰うのですが、奥に行って帰ってきたカヤックがマルクになっています。マルクはナチルに会えて、嬉しくて近づこうとしますが、相手がカヤックだと思っているナチルにとっては嫌ですよね……。

ハンスと男とパッチと騎士と~ユリィカの里帰り

トリニクちゃんに餌をあげるナチル。キットカットが言っていた魔女と鳥かごの話をしていますね。「定められた未来に抗ってこそ、はじめて魔女たりえる」。ナチルは鳥と鳥かごを見て思い出しただけだと思いますが、これからの運命を思うと色々考えさせられますね。そのあとユリィカが視た夢は、恐らく本物アルムーンでの、ハンスとパッチの会話なのでしょう。微妙に、ロバの正体まで視ちゃってますね……。

5つめの特異性奇品「千里眼のメダリオン」を手に入れ、痛風の薬もできました。ナチルのことを伯爵に話しますが、伯爵はナチルに「一度お会いした」って言っちゃってますね。伯爵は自分が人形って自覚無いだろうから、見たときの状況とかもあんまり覚えていないのかも。それか、わかってて敢えてそう言ってるか。ユリィカの見た夢は、恐らく過去の父親との夢でしょう。

秘密箱をあっという間に開けてしまうオババ様。立派な隠居暮らしというのは口から出任せですね。ルヴァリエール達がやってきて「そろそろかね」と言うのは、本物アルムーンでもルヴァリエール達の再訪問後に革命が起きたからでしょう。
今度は黒猫視点、ロマールはケイを見て隠れますが、ケイは「ロマールに対して」ごめんなさい、と謝り、ロマールはそれを聞いているようでした。そのあとノートン卿に会いに行くケイですが、ケイの相手がトマースだと知って、失恋? のショックで動揺するノートン卿。
そして何故かこの後、お腹が膨らんでうずくまるケイ……。どうしてこうなったのか色々考えたのですが、タイミング的に奇品のせいじゃなさそう。多分、ロマールがケイを許して(許したことはアートブックに書かれてる)、子どもとしてお腹に宿ったんじゃないかな。元々ロマールは特異性奇品「テストラント」から生まれたものだから、あり得る気がします。その後、ハンスと仲良くなったオババ様、うまくルヴァリエールと会わせていますね。でも、その後オババ様は倒れちゃってたみたいです。

6つめの特異性奇品「賢者の古書」は、下手するとくびり殺されるらしいのですが、それもまぁオババ様の嘘かなと(嘘じゃ無い可能性もあるんですけどね)。これを読むと賢くなる、のでしたよね。さて、オババ様の計らいで(というよりオババ様はピラーを立てる時間が欲しくて)里帰りすることになったユリィカ。その日の夜の夢で、ツェツェーリアとも会話しています。

ユリィカの里帰り 二人旅~革命勃発

ユリィカの里帰り編。二人旅にワクワクしてるユリィカと、相変わらず素直じゃ無い? ナチル。日記の存在もちゃんと明かされます。ナチルも「似たようなこと」をやっていますね。ここでコウレイトウに語りかけてるのが、エンディングに繋がって行くと思うと切ないです。ユリィカの本名がマーガレットだというのもここで。ユリィカの父親が失せ物探しの能力が嫌いな理由は、ユリィカが母親の浮気を「見つけて」しまったからです。ピアノのシーン、二人で一緒にやればできるから……なんて、ナチルがそんな言葉を言うなんて少し意外です。これもエンディングに繋がるシーンですが。マーガレット畑のシーンも! ホント、この里帰りが、唯一二人がささやかな幸せを過ごせた時間だったんですよね。
それにしてもユリィカ、というかマーガレットは健気すぎるよ。バカとかそんなことないよ、人間に一番必要なものは誰より持っているよ、と思ってしまう。折角の幸せタイム、最後には父親の本性が出て終わります。でも、ナチルのいい本性も出てる気はします。

コウレイトウは最後の特異性奇品を見つけてきます。満月まであと6日。ここでオババ様、「アンタの憑代になってりゃ」って言っているので、今はオババ様とコウレイトウの魂は繋がっていないようですね。「呪い」の影響を受けやすいトリニクちゃんも死んでしまい(奇品のせいか、ツェツェーリアのせいか、不可のせいか)、オババ様は体調の限界で倒れてしまいます。そのあと発見したナチルの反応を見る限り、オババ様の症状としては自分と同じもの(灰化の結晶が原因の病気)なのかな。
オババ様が特異性奇品と共に残したメモには、謎かけについて詳細に書かれていました(恐らくオババ様が地下迷宮に入って謎かけを書き写したと思うのですが、倒れる時の描写を見る限りそんな暇は無さそうなんですよね。ペリコが助けを求めて外に出てから、地下へ書き写しに行ったのなら何とか辻褄は合うかと)。
その後伯爵様を探しに行った二人が見たのは、伯爵「本人」の人形。人形から元に戻らないのは、お屋敷からマナがほとんど無くなっていることが原因のようです(多分外にある9基のピラーにマナが奪われてる)。オババ様のために何かできないか考えたユリィカは、とうとう特異性奇品、恐らく「賢者の古書」に手を伸ばしてしまい、その瞬間コウレイトウはユリィカの魂から引き離されます(賢さが変わると人格や魂も変わることになり、憑依は難しくなるのかも)。
その後に出てきた夢は、どうやらナチルの視た夢みたいです。ユリィカの能力が上がって、側に居るナチルも予知夢を視る能力が使えるようになったのかもしれません。同時にコウレイトウは、もう一人の憑代であるナチルのところに戻ってきます。ユリィカはさっきの謎かけを解きましたが、ちょっと人格が変わってしまっています。
そのあと包帯を巻いたトマースと、お腹が大きいケイ。ここのトマースの怪我は、こっそりエスト硬貨を持ち出したので無ければ、浮気がばれて奥さんに殴られたとかかもしれません。ケイは結婚のためにガラヤのネジを借りたいと言っていますが、当然トマースの策略です。ユリィカがナチルに強く出て、ガラヤのネジは結局トマースの元に。
そうして医者を待っているうちに、革命が起きてしまいます。ナチルが革命のことを知っている理由は、アルステラの歴史に照らし合わせてのことだと思います。屋敷に追い詰められ、オババ様はいなくなり(多分自力)、ペリコは首が無くなっていて(多分ペリコはマナが無くなって気を失い、首は取れてベッド下にでも落っこちていた)、長ばさみを担いだカヤックが降りてきて(ユリィカ達を助けるための武装)、ケイさんは庇ってカヤックとぶつかった? または、この時点で他の暴徒に捕まった可能性もあります(カヤックは混乱に乗じてこの場を去った)。降霊灯が壊されたらどうなるか解らない中、ユリィカはコウレイトウに、迷宮を攻略するように頼みます。

終焉の世界――~不可思議なる観測者

追い詰められて脱出するユリィカとナチル。コウレイトウを待たず、廃教会に逃げます。ケイさんは捕まってしまいます。トバは殴られたあとにコーラルサリィになっているので、魔法を使ってなんとか逃げ仰せたのでしょう。ハンスはこのときどういう気持ちなのか微妙なところですが(少なくともオババ様は助けたいと思っている)、狩りをしたいというのは間違い無さそう。「カルチエの記者」トマースは王妃の悪事を暴いて逃走したと。隣国出身の奥さんのつてで援助を受けていたという設定でしたね(アートブック)。
食べ物を探しに行くユリィカ。中身がマルクなカヤックに会います。不審に思いつつもカヤックに着いていくと、家にはお腹が小さくなった(流産した)ケイが。何だかカヤックに支配されてる雰囲気のケイですが、実はケイの中にはコーラルサリィが入っていて、家の奥ではケイの自殺を止めるために、マルクがケイを殴って意識をコーラルサリィに引き戻しているのでした。ナチルはキットカットと連絡が取れなくて焦っていますが、この世界は贋作世界なので、絶対にキットカットとは話せないのですよね。
さて、夜になって倒れた黒猫(ビスマン卿、またはゴズ辺りから守ってくれていたのかも)を見つける二人ですが、そこで振り向くと急にホラーなビスマン卿が! ツェツィ、と言っているようなので、少しはビストの意識があるのかも。
そのあとナチルはまた予知夢を見ていますね。これは、本物アルムーンで首を吊ったユリィカを見つけたところでしょう。同じ夢をユリィカも見ていたらしく、「罪人吊るしの木」まで走って行き、首を吊ったケイを見つけてしまいます。ユリィカが絶望した瞬間、封じられていた「不可」が復活してしまいます。ナチルを庇ったユリィカは致命傷を負いますが、本当はエリクシールで助かっています。ナチルはこのままアルステラに逃げ帰る……ように見えますが、実はこのあとオババ様達を探しにガレリア宮に戻っているのです。
ここで、全ての特異性奇品を集めてベックリンに会いに行くと、コウレイトウの真の力を解放して貰えます。現在、過去、未来、どこにでも行けるようになると。ここでコウレイトウは時間を超越できるようになるのですね! 今の時点でナチルに憑依できるのは、あくまで贋作アルムーンでの「設定」であって、実際にはコウレイトウはまだナチルと契約したことは無かったのだと思います。というわけで、イベント「不可思議なる観測者」は、恐らくコウレイトウがナチルとも契約し、本物アルステラやアルムーンを経たあとの時間軸なのでしょう。だから、オババ様のところに戻って来られたのでは無いかな、と。

C2Bカルチエ第二放送ニュース~狭間の世界――アパルトマン

最初に光っている星のマークは「アルステラ」の紋章ですね。というわけで、最初にここに辿り着いたときの衝撃は計り知れませんでした! ニュースではTO(ターンオーバー)の情報が出ています。ジルルダは魔女として自分たちの地位や立場やお金を固めていっている感じでしょうか。全ては欲望のため、でしょうが。

場面変わって、日常生活を送っているナチル。クロは恐らくキットカットで、ナチルがウールーの「予言」に出てくることを知って、前から様子を見ていたのでしょう。店じまいしようとしたその時、ツェツェーリアが客としてやってきます。彼女はアルムーンに帰る力を取り戻すため(この時点での目的は多分これで合ってる)、マナを発する品をナチルから買い取ろうとしています。ナチルが人形兵を使い、(アルムーン地下迷宮の辻褄あわせの世界である)ワードローブ内を探索しているということは、ツェツェーリアは知っているのでしょう。高く買い取るという契約をした証として、ツェツェーリアがナチルに渡した指輪が、実はビストからの結婚指輪です。ツェツェーリアは自分の記憶を消したときに、そのことを忘れてしまっています。
ナチルは、前回「マナを発する品」を見つけた、ワードローブ内の迷宮「アパルトマン」に人形兵を行かせようとしています。「ポル」は、ポルカのこと、つまりナチルのことですね。妖しい降霊術(多分頭を空っぽにするため)でコウレイトウを呼び出したナチル。コウレイトウに人形兵を率いてワードローブ内へ行くよう命令します。

成果上々! お祝いの魔法花火! ~ナチルの日常と不登校

コウレイトウが無事品物を持って帰れたので、ナチルが魔法でお祝いの花火を上げてしまいます。ナチルはまだまだ甘いですね……。ナチルは憑代になっても、コウレイトウの見ているものは見られないようです。ユリィカが特殊すぎるだけで、これが普通だと思いますが。クロが出て行ったのと入れ替わりに、キットカットが入ってきます。早速花火使用が見つかってる(というより、キットカットはナチルが尻尾を出すのを待ってたんじゃないかな)。いきなりキットカットがドーナツ食べ出すのも面白い(世界の成り立ちを説明するのにいつも持ち歩いてる?)

ここでパンプルトンさん初登場。最終的には意外と重要になるキャラですよね。でもこの人がセクハラちっくだからナチルも人を信じにくくなってるんでしょうけど……。帰ったらツェツェーリアが居て、間の悪いことにコウレイトウとバッティング。でも何でも知ってるツェツェーリアは当然コウレイトウの存在も受け入れ、これからも取引を続けたいと。ナチルは、これでアパルトマン(現実の)を買い戻せるかもとご機嫌です。

お母さんに素直になれないナチル、そして外で会話するマルクの声(お姉さんは男性が苦手なんですね……)。そうこうしているとコウレイトウが帰ってきたので、今度は「自動書記」でアパルトマンの様子を見ています。想像よりは物騒な場所だったようですが。

巫女ウールー~骨董商の口利き

今度は出かけようとしていたナチル、マルクに会いますがそっけない態度。うーん、マルクがナチルのことを好きな理由がはっきり書かれていなくて分かりづらいんですよね。多分、幼い頃の純粋だったナチルが好きだったのだと思いますが。母親のことを悪く言われると我を忘れてしまい、ナチルは魔法を使おうとします。それを狙い澄ましたように現れたキットカット。ナチルはポータル術法でウールーのところに連れて行かれます。
ウールーがナチルの色々を視ているのは「予言」ではなく「視る力」によるものだから、これぐらいでは予言は崩れない、と考えていいのかな。また、ウールーの言う「おまえの祖父は毒殺」というのは、アルステラの祖父では無く、ナチルの母であるマズルカの父、メディニラのことですね(前作『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』に出てくる)。ムーンソサエティに入るよう言われますが、ナチルは母のことを言われて取り乱して決裂、3日後に捕まることとなってしまいます。

ナチルのお腹が痛い理由は、幼い頃「灰化の欠片」を飲み込んでしまい、それがたまに抑えられなくなるからなのでしょう。奇品を触るための防呪の革手袋を作り、やってきたツェツェーリアに奇品を見せます。ツェツェーリアの腕は恐らく、アルムーン墜落時に無くなったのかなと(それ以前に失っていた可能性もありますが)。ナチルは投獄についてツェツェーリアに相談し、ムーンソサエティに口利きしてもらえることになりました。

ムーンソサエティ~白雷のクラリスティア、その弟子

ラジオではクラリスティアの話が出ています。とうとうキットカットが迎えに来てしまうナチル。色々あって覚悟を決めていたナチルでしたが、着いたのはムーンソサエティ。目隠しはホントに危ないものだったのですね……。
ジルルダはしらばっくれていますが、ツェツェーリアとジルルダは最初から繋がっているので、直にツェツェーリアからナチルの話を聞いたのでしょうね。ミラージさんだってしらばっくれていますが、元々ナチルを見守るためにアルステラに来たわけですし。生かされるべくして生かされたナチルなのです。一旦自宅に帰ったナチルは、ムーンソサエティに入会することを決めたのでした。

ムーンソサエティの集まる場所へ行く方法が解らず、自宅に引きこもるナチルでしたが、ネリルが迎えに来ます。TOは正確には「TOが失敗」した状態であると説明があります。世界の正常な更新が失敗した状態、だと。
ここでキットカットが現れ、エリクシールの説明をしてくれます。が、若さを保つというのを聞いて、これを飲むのは「母と同じ容姿になりたくない」と思う自分が母を裏切る行為だと思い、ナチルはエリクシールを飲みませんでした。これが後に贋作世界ユリィカの飲むエリクシールとなるわけですね。ネリルはたまに過去の自分を呪い殺したくなる、と言っていて、ナチルはそれを見抜くのですが、ナチルも母に言った言葉などで過去の自分を後悔することが多いから共感したのでしょうか。それとも、母親が子供を呪い殺したいなんて思うはずは無い、と知っているから、でしょうか。
ムーンソサエティでは、だれがナチルを弟子にするかで数時間揉めています。そこに現れた白雷の魔女クラリスティア。彼女が放った電撃を、ナチルははじいてしまいます。これはナチルの母であるマズルカが昔「防護の魔法」を掛けてくれていたお陰です。これが切っ掛けで、ナチルはクラリスの弟子になることになりました。

ネリルに魔法薬!~ピッキングの練習、そして彷徨える魂

コウレイトウの持って帰ってきた材料で、ネリルに魔法薬を作ったナチル。ネリルにも褒められていますね。ナチルへの厳しい指導が続く中、ドリスが言った貧民街への言葉に強く反応するクラリスティア。キットカットとウールー、そしてクラリスティアは孤児院出身ですからね。
別日。二日酔いで早々に去って行ったクラリスティアの代わりにキットカットが教えているのはピッキング。きっとウールーが予言していたのでしょうね、この能力は必要だと。ミラージにはコウレイトウを見せて欲しいと頼まれます。ミラージはマズルカから彷徨える魂のことを聞いていたので、マズルカを助けた「妖路歴程」と同じ存在なのか確認したかったのかも知れません。
このあとやってきたツェツェーリアは、ナチルにかなり深いところまで聞いているようですね(ナチルはこのあと、自分がTOに関連するミッションに行くことを知らなかったようなので、この情報をツェツェーリアがどうやって引き出したのかはわかりません。もし誰かがナチルにこの情報を伝えるとしたら、キットカットくらいですが……)。ただ、このときのナチルの記憶はツェツェーリアに消されています。最後お母さんが倒れるのは、灰化病だからなのか、転写体だからなのかはわかりませんが、あまり良くない状況ですね。クロ(キットカット)も少し心配そう。

第二級非常事態~灰化病なる病 白

クラリスティアに頼まれて、ドリスが出かけて行きましたが、これは罠でした。ドリスを助けるために、キットカットが向かいます。入れ替わりに帰って来られたドリスを見たナチルは怒って、特別な魔法文を作り、クラリスティアに送ります。
ムーンソサエティでは、ジルルダがしらっとキットカットの口を割らせようとしていますが、さすがにミラージが止めます。そこにナチルの魔法文を受け取ったクラリスティアがやってきます。ナチルも一緒にキットカットの元へ行くことになりますが、クラリスティアは「奥の手」恐らく外道魔女化の可能性も示唆しています。使い魔の地蜘蛛も出てきますね、外道化するときはこの蜘蛛と一体化するのです。クラリスティアはナチルに電撃を当て、その反射で敵を倒します! この辺はやっとナチルが活躍できて、珍しく爽快感のあるストーリーですね。

ジルルダと二人きりできまずいナチル。クラリスティアは二日酔い。でもここで、ナチルは用意しておいた薬をクラリスティアに渡します。クラリスティアの「ふわぁ~~~!」が可愛い。ここでナチルは、自分のミッションがTOに関係があることを知ります。ナチルは母の病状についてジルルダたちに相談し、灰化病検査用紙のようなものをもらいます。結果は一応陰性ですが、これはナチルの母が気がついて白い紙と入れ替えておいたのか、またはお母さんの正体を知っているジルルダ自体が紙に細工していた可能性もありますね。お店前でクラリスティアに会いますが、彼女は本当にナチルを認めてくれてるんだな、と、嬉しい反面切ない気持ちにもなりますね。

ジルルダの手伝いをするナチル。兵隊やTOのことを説明してくれています。ムーンソサエティでは、クラリスティアは来てないって話をしていますが、前項で彼女は「明日」って話をしてますよね?既にこの時点で、キットカットはクラリスティアの動きを止めていたのかも知れません。
アパルトマンでは、またパンプルトンさんが無神経な会話をしています。でもこれがお母さんの現実なんですよね。そしてナチルはさらに沢山の「黒い紙」を見て絶望します。こっちのイベント名が「白」なのは、母は灰化病であるというのがが正解ですよ、という意味かな。ナチルはなんだかんだ言ってお母さんが一番大切な存在なんですよね……。やってきたツェツェーリアに相談すると、ここでアルステラやアルムーンの話を教えてくれます。そうしてナチルに、アルムーンの奇品を持って帰ってくるよう、暗に頼みます。これもツェツェーリアが本物の「特異性奇品」を集めるための策略なのですが。

アルムーンへの旅路~双子世界アルムーン

とうとう旅立ちのとき。やっぱりアルムーンに行くことになったナチル。やっぱりあれ以来クラリスティアは来ていないようですね。自宅に戻ってきたナチル達。誰にも喋ってないか聞かれますが、ツェツェーリアには喋ってますね。キットカットはここで、魔女と鳥かごの話をしています。ナチルの部屋からアルムーンに飛ぶ理由は多分、帰ってきたときに奇品を隠せるから(そういう予言だから)と考えると納得いきます。量子の気まぐれ、と言う言葉はユリィカを呼ぶ前にオババ様が使う言葉ですし、猟師の気まぐれ、というのは……最後の最後でオババ様がハンスに助けられたことがあるし、本当にこのゲームは小ネタが多いなと思います。
最後、ナチルが薬を飲んだ際、キットカットがナチルの手を握ったときに、クラリスティアとのリンゲージリングを壊していて、それで連絡が取れなかった設定らしいですね。「親から飛び方を習わなくても、鳥は飛べる」という話は、ナチルの「帰り方」の話ですね。一応(読者が読み取るための)ヒントは書いてるよ、ということなのかなと。そもそもどうやって薬でアルムーンに飛んでるんだ、とかは、そういう設定ってことで納得しておこうかと思います(世界樹の一族としての力を無意識に解放させる、とかかな)。

さて、アルムーンに到着。まだ、ビスマン卿は動いていない、のかな? こっそり寝泊まりしていたルヴァリエール達が出て行くところみたいなので、少なくともビスマン卿はずっと部屋の外にいる感じではなさそうですね。ここに出てくる黒猫は、ツェツェーリアが生き返らせたものですが、キットカットは憑依できるらしいのでこの子はキットカットなのでしょう。パッチに見つかりつつも、ナチルはワードローブ探索をすることにします。恐らくコウレイトウだけでなく、地下迷宮の時間軸もプレイヤーと同じなのでしょうね(実際システム的に同じですし)。

ススの魔女ナチル~報告メモ 戦災孤児の少年

そして3日後、とうとうビスマン卿が動き出します。今まで動いていなかったのは、多分人形修復中だったからであって、彼は恐らくガレリアの地下迷宮が生まれたときからここで「人形」として生きていたのでしょう。ただ、特異性奇品を求め始めたのは、ナチルが来る前後、ツェツェーリアの転写体が伯爵に「命令」したから、なのだと思います。
そんな中、ユリィカがお屋敷にやってきます。ユリィカも贋作世界の彼女より少し頼りなさが増していますが、ビスマン卿のバイオレンスもひどい(多分彼は贋作世界と変わらないんでしょうけど)。そしてユリィカの視る力で、早々に居場所を見破られるナチル。でも何とか、奇品を探す魔女として命は助けて貰えることに。

ナチルは報告メモを書いています。これはオババ様の時代に役立つとても大事なものですね。ユリィカとの会話で、317歳とか言っているナチルは結構かわいい。普通にユリィカに無視されてるのはかわいそうですが。ここで、キットカットに貰った指輪でキットと会話できますが、「キットカットの指輪」と「クラリスティアのエンゲージリング」と、「ツェツェーリアから貰った指輪(結婚指輪→ナチル→ペリコと渡る)」は違うのでややこしいですね。キットカットは現地人に見つかってることは知ってるくせに、ホント白々しいですねー。後々のウールーのために、ナチルとユリィカを会わせるのが目的の一つなので、仕方ないですが。

一つ目の特異性奇品「テストラント」が手に入ります。それをポケットに入れたまま錬金釜を探しに行ったナチルは、戦災孤児(贋作世界と服が違いますね)パッチと会います。どうやらユリィカがパッチにご飯をあげていたようです。パッチの友達が欲しいという想いか、ユリィカがパッチに対する可哀想という想いか、どっちが切っ掛けかわかりませんが、テストラントが反応してここでロマールが生まれました。

報告メモ 不敬の罰~新聞記者来訪

ここでルヴァリエール達がやってきます。この辺のイベントは心が痛い。とはいえこの時の失敗を糧に、オババ様はそのとき考え得る最良の行動が出来るようになるわけですが。このとき多分、ナチルはポケットに「古代エスト硬貨」を入れていますね。エントランスに滑り落ちたところから始まって、全ての小さな不幸はこの特異性奇品のせいでしょう。その後ロマールを紹介するパッチ達を見て、ナチルが「まじでキモイ」と言ってますが、ロマールが見えてないんだからそれはそうです。

その後、古代エスト硬貨をユリィカに持たせて出かける二人ですが、ユリィカは陽の巫女ゆえに呪いの類は受けないので、何事も起こりません。ツェツェーリアの転写体は近くで色々動いているようですね。鳥人間の言い伝えのほうは、昔のツェツェーリアやゴズのことかもしれませんけれど。カヤックの家前後では、恐らくユリィカファンにとって一番悲しい事実が明らかになりますね……。

再びルヴァリエール達が訪問してきます。ナチルの魔法能力はすごいので、ちゃんと身体全部「若返る」ことができてしまいました。こういうときに少し見えるビスマン卿の慌てた様子は嫌いじゃないですよ。ちなみにコウレイトウはここでビスクドールを拾ってくるのですが、これは正直、贋作世界で見たペリコに似ていると判断したコウレイトウが拾って来たのですよね。時間軸の歪みのせいで色々ややこしいことになっています。

ユリィカの頭の上に額縁が落ちてきたのは(丁寧にも古代エスト硬貨のせいじゃないよ、というナチルの報告メモを挟んだ後)、贋作世界で別の額縁が落ちてきたことが特別なことではない、という伏線描写かなと思います。この物語、かなり丁寧に伏線や小ネタを張っているのですが、何度も読まないとわからないくらい難解なのですよね。
ここでトマースさんがあらわれた! この人だけは擁護できん悪だ。突然の殺人事件情報に驚くナチルたち。これはロマールのことだと思うのですが、ルヴァリエールが「食べるために」攫って殺した子どもの行方不明事件が切っ掛けで、本格的にトマースが屋敷の事件のことも調べ始めたのかもしれません。そしてここで古代エスト硬貨がトマースに盗まれます。

報告メモ 王子殿下襲来~王家の代償とは

ナチルはユリィカに鳥を飼わせることに。ユリィカは家主じゃないけども、まぁ住んでるからいいのかな。とにかく「呪い」つまり魔法的な悪い力が漂えばわかるようにしたわけですね。特異性奇品があまりに特異だからナチルが用意した、ということなのでしょう(オババ様は、ツェツェーリア達が何か施してきた時や、不可の力が増した時のために鳥を飼わせたのかな、と思います)。
さて、今度はユベール王子が屋敷にやってきてしまいます。今ナチルのポケットに入っているのは「千里眼のメダリオン」ですが、これの影響でユベール王子の何かが見えますね。これも妖しい場面かと思いきや、ノートン卿が芸術について教えている場面な気もします。ユベール王子は伯爵を若返らせろとナチルに命令しますが、伯爵は人形だから……若返りません。今度はロバを人間、またはユリィカをロバに変えろと言われます。

悩んでいるナチルのところに、久しぶりにキットカットの影。さすがに相談するナチル、でもキットカットは「魔法そのものをそれとわかる形で直接見せたり使うことはダメ」と釘を刺すだけの展開に。キットカット、わざとこのタイミングで言ってる気がする。そしてここではじめて、色々アイデアをくれたユリィカにナチルが感謝しています。人は追い詰められてはじめて、本音を出せるのですよ……。
その後、「スーヤの手鏡」で誤魔化そうとしていたら、クゥがゴズ(まだ意識は戻らない)に変わってしまったり、それが切っ掛けでユベール王子の秘密がわかったり。ちなみに、ユベール王子が男になって、魔女(ジルルダらしい)との王家代々の契約が解けてしまうと、王家が安泰でなくなる≒革命が起きやすくなるので、贋作世界のオババ様はユベールを屋敷に来させないようにしたわけですね。ここでは、ユリィカの「わかる」という態度がユベール王子の心を開いているのが、なんとも複雑。本来ならユリィカの優しさはこうして誰かに響く素敵なものなのですが、トマースやハンスなど、度を過ぎるとね……。
というわけで、スーヤの手鏡を使って(たまたまですが)男性になったユベールは帰っていきます。そのままビスクドールにも手鏡を翳すと、なんとビスクドールが目覚めてしまう……!ここでどうして「ペリコ」が生まれたのかは、本当に謎(アートブックでも暈されてる)なのですが、このビスクドールはビストが作ったもの。恐らく、何らかの魔法的な影響で子どもが産めなかったツェツェーリアへの「呪い」が、スーヤの手鏡を翳すことにより解けて、ペリコが生まれたのかな、とは思います(ビストとツェツェーリアの想いから生まれた「二人の子ども」に違いは無いので)。でも真実は謎ですね。

報告メモ 3日後に戻れ~恨み持つ者

ペリコとおっさんで大騒ぎな中、ボロボロトマースが古代エスト硬貨を持ってきました。トマース、ここからずーっと屋敷に潜伏してるわけですよね。怖すぎる。クゥことゴズは、ペリコと遊んでいるうちに記憶を取り戻したのか(ツェツェーリアの記憶操作は、ちょっとした切っ掛けで解けてしまうものだったので、詳しい理由はわかりませんが納得はできます)、出て行ってしまいます。
今度はユリィカが、ハンスに同情してしまっていますね……。この日、トマースもハンスも助けたと思うと、なかなか皮肉なものを感じますが、どちらにせよユベール王子の呪いが解けてる時点で革命は起こったような気がしますし、仕方ないのかな。このときのナチルは「ガラヤのネジ」を持っているので、感情に任せてユリィカに色々言ってしまいますね。
久しぶりに見たキットカットの影は、3日後に戻るよう言っています。「飛べ」っていうのは、ナチルの正体を知った上で言っているのか、予言なのかはわかりませんが、行きがけの台詞も含め、キットカットはナチルが「飛ぶ」ことは知っていたのでしょう。ペリコと黒猫に「どっちもかわいいなぁ」と本音を言ってしまったナチルはかわいいです。

「奇品奇怪目録」はトリブーナの書棚にあった、というのがここでさらっと出てきます。ビスマン卿はそのことすら知らないのでしょうか。知らないか。尋ねてきたルヴァリエールは、とても体調が悪そう。アートブックによると、これは「呪い」というよりクールー病(人肉を食べることが原因の病)らしいです。ナチルが千里眼のメダリオンを用いて知ったキーワードは「子供」。観念して語り出したルヴァリエールの話によると、ルヴァリエール達は若返りのために、子供を食べた、と。
ちょうどそこにロマールが! ロマールはナチルには見えないけど、コウレイトウには見えちゃうのですよ! 怒ってる、怖い。ここでロマールは消えちゃうんですが、多分、多分ですよ、ロマールはルヴァリエールのお腹の中に宿ったんじゃないかなと。彼女は子供がなかなか授からなかったのに、殺されたときには「不倫の子を身ごもっている」と言われていたので。そうすると、贋作世界でケイのお腹が急に大きくなったこととも矛盾がありません(ロマールはケイのことは許したけど、ルヴァリエールは許してない、というのは大きな違いですが、お腹に宿ったのは同じなので)。
ケイに、嘘がつけないガラヤのネジを持たせて、話を聞きます。発見したときには既に死んでいたロマールの血を、ルヴァリエールたちは私欲の為に飲んだ、と(なんでロマールって名前がわかったかは謎ですが、持ち物に書いてあったとでも思っておきましょう)。そして今度は子供を産みたくて、別の子供の血や肉にも手を付けてしまったと……。ケイも、この病状は魔法で治せるものでは無い、とは理解してくれたようです。
これだけだったらまだ、ルヴァリエールとケイだけの問題で良かったのですが、それをトマースが聞いていたことが発覚。ユリィカが居なかったのって、こっそりトマースを庇ってた(ごはんを持って行ったり)からなのかもしれません。

おはよう! ルゥちゃん♪~特異性奇品、その効果──

ここからは紋章の装置越しに見えるイベントなので、少し途切れ途切れ。
鳥のルゥが死んだということは、不可が迫っている(または特異性奇品が揃って来た)ことの証でしょう。伯爵が人形だということも、ナチルは知ったようです。また、トマースはばっちりルヴァリエールのことを記事にしています。革命が始まってしまった。ナチルはユリィカを責めますが、ここは本当に心苦しい。ここではさすがにナチルはガラヤのネジを持っていないと思うんだけど、それでも言い過ぎてしまったナチルは謝らないと、と。
「崩れ去った伯爵」のイベントは、多分イベント「これは人形……?」の前の時間軸ですね。ハンスのシーンでは、武器の上にルヴァリエールの首が乗ってます(私、アートブックを見るまで全然気づいてなかった)。不倫の子を身ごもっていた、という疑い(多分本当はロマールだよ)のせいで、さらに市民の怒りは燃えたのだろうなあ。トバは、この世界では特に屋敷で働いて居た訳では無いので、ただ金目のものを盗りに行っただけなのだと思います。
ユリィカが触った奇品って、恐らく「賢者の古書」ではなく「千里眼のメダリオン」ですよね。賢くなったわけじゃなくて、遠い未来を予知できたからこそ、ユリィカは自分が死ぬことで日記を「奇品」にし、未来のナチルへ世界を託すことにしたのでしょう。

ナチルの決意~童話の鳥人間

ナチルは教会のアトリエに逃げてきましたが、ペリコを置いて一旦屋敷に戻ります。ユリィカの部屋へ行くと、日記と手紙が……。ユリィカがナチルが苦手って言っている理由が、冷たいからとかじゃなくて「お願いしてくれない」から、って言うのが何かもう、辛いですね。ナチル側も、人に頼ったりお願いしたりするのが苦手な子だったと思うし。そしてそれでもナチルが好きだというユリィカは、「わたしのこと、いつまでも覚えていてね」というお願いをします。「沢山の記憶の果てで、あなたと再開できる日を祈って」という言葉が、ユリィカが全て知ってしまったことを表しています。チョコレートの話もここで。

ナチルが特異性奇品についてまとめているので、私もワードローブと目録以外をまとめてみました。括弧内に書かれているのは、ツェツェーリアが別のイベントで言っていた事です。目録は(知識)、ワードローブは(空間原理)です。

「テストラント」魂、もしくは感情を形にする。ロマールを生み出した。(魂の具現化)
「古代エスト硬貨」持ち主に不運をもたらすもの。ナチル達に小さな不幸を齎した。(運)
「ガラヤのネジ」感情のタガを外して思っていることを喋ってしまう。贋作世界でルヴァリエールの本心を暴いた。ナチルやケイの本心も語らせた。(伝達)
「スーヤの手鏡」魔法的な因果により変化した何かをあるべき姿に戻すもの。ゴズやペリコ、ユベールを在るべき姿に戻した。(魔力除去)
「千里眼のメダリオン」相手の(過去の)ビジョンを感じ取れるもの。ユベールやルヴァリエールなどの過去を見た。(幻視)
「賢者の古書」贋作ユリィカが賢くなった。(叡智の解放)
「メルカッツァの壺」生殖に関わる何か。(繁栄)

全ての奇品が揃ったとき、「ガレリア内の時空間があべこべとなり、時間と空間が歪んだ」と書かれています。これは多分、今まで封じていたマナが外に流れ出したことと関係があるのでしょう。ナチルはハンスに魔法を使い、逃げ出します。クロことキットカットのお陰で、ナチルはなんとか教会に戻ってきました。ペリコと共に、ユリィカを探して街道まで行こうとしますが、途中でツェツェーリアの転写体に遭遇。千里眼のメダリオンの影響か、ツェツェーリアのビジョンがナチルにも流れ込んできます。どこまでかはわかりませんが、ある程度ツェツェーリアの目論見を知ったナチル。奇品を取り戻すため、鳥人間に戦いを挑みます。

アルステラへの帰還~パンプルトンの暴走

鳥人間を倒し、特異性奇品を取り返して、ナチルはまずユリィカを探しに街道へ。そこで見たものは、首を吊って死んでいるユリィカでした。その瞬間、封じられていた不可が復活します。そうして爆風に飲み込まれる寸前、ナチルは誰からも教わらなかった「飛ぶ」力でアルステラへ帰るのです。

帰ってきたナチル(これが帰ってきた瞬間なのかは不明ですが、全ての特異性奇品を持っているので、多分ここは帰還直後と考えていいかと)は、ユリィカやペリコを心配しつつも、奇品を壊して貰うためにムーンソサエティへ行こうとします。が、一度戻ってきて、「千里眼のメダリオン」だけを天井裏に隠しました。万一のことを考えた行動でしたが、ナチルの予感は的中し、ツェツェーリアに他の奇品を奪われてしまいました。ただ、その記憶はナチルからは消されてしまったようです。ナチルの見ている夢の中で、お母さんはちゃんとお仕事休んで参観日に行ったのは普通にすごいなぁ。
目覚めた(この時点で、キットカット等の介入があって年月が経っている可能性がある)ナチルは全てを忘れていて、コウレイトウとしてはとってももどかしい。ただ、忘れているとは言え、お母さんをもっと大切にしなきゃ、という気持ちは前より有るようです。

ラジオの言っている焼死体は、恐らく「粘菌のラン」。パンプルトンの話を聞く限り、記憶を失っているのはナチルとお母さんだけみたいですね。お母さんと行きたいお店が空いておらずがっかりなナチルですが、ここにマルクが登場。少なくとも、マルクはお母さんの姿に嫌悪とかは持っていないらしく、いい人ですね。でもやっぱりなんでマルクがナチルを好きなのかわからんよ。
ここでもナチルはお母さんを傷つけられ、怒って魔法を使っちゃうパターン。マルクは友達を庇って倒れてしまうという……。やっぱりなんでマルクがナチルを好きなのかわからんよ(もう少し! 過去話でもいいからナチルとマルクのイベントがあれば! マルクも素直じゃないだけってわかるんですけどもね)。あと、ここでお母さんがナチルを叩く場面は、私がこのゲームで一番辛くて苦しい部分です。いや、わかるよ、お母さんの気持ちもわかるけども! どうしてここ、だれもナチルに共感してくれないのか。男子学生の言い方が一番良くないと思うのに。ナチルが怒るのは当然なのに……。「謝るなら、それはマル君にでしょ」じゃないんよ、ひとことでいいから、「お母さんのためにしてくれたのよね」「お母さんもごめんね」みたいな言葉が欲しかったなぁ、と。

ナチルは逮捕されると覚悟していますが、記憶は思い出せずに居ます。ラジオでは、ムーンソサエティの解体議題のことが話され、ここでTOが停止したことを知るナチル。そのときやってきたのはペリコ! ペリコのお陰でやっと記憶を僅かに思い出すナチル。そしてさらにやってきたのは、クラリスティア! 二人ともお互い連絡取れなかったと思っていましたが、エンゲージのリングにヒビが入っており、クラリスティアは色々悟ったようです。その後、思い出せないのに、ユリィカのことを思って涙を流すナチル。帰ってきてからずーっとユリィカのことだけは思い出せないのは、本当に悲しいですね。

コウレイトウを待つナチルの元に、クロが入ってきました。恐らくナチルの帰ってくる前後に、キットカットは一度「殺されていた」のだと思いますが、この時復活したのでしょう。そのあとパンプルトンが、ツェツェーリアの力で一線を越える行動を起こします。逃げたナチルの元に現れたのはツェツェーリア。パンプルトンから庇うことで信頼を得ようとしていたのでしょう。ただ、ペリコは恐らくアルムーンでツェツェーリアの姿を見ているので、怖がっています。ここでの話はまた省略されていますが、恐らくツェツェーリアは「千里眼のメダリオン」の場所をナチルに聞いたけれどわからず、再びナチルの記憶を消したようですね。今回はペリコも記憶が消されてるっぽい。

裏切り者は誰なのか~敵……その名は

クラリスティアに言われていたエメラルドを見つけたため、送った魔法文の返事が返ってきます。合言葉は「疑え」。ペリコが咥えていたネズミは、マナを持っているジルルダの使い魔ということらしいです(多分ペリコはそれが使い魔という自覚は無く、マナを持つネズミを口に入れてるだけ)。
今度はそのジルルダがやってきて、合い言葉を聞いてきます。ここは、合言葉が「疑え」だと知っていたジルルダが、ちゃんとナチルが疑っているとを判断したから「白雷の」でもOK、っていうことなのかな。ここ、ジルルダが悪い奴と知っていると、逆に解りづらいですが、まだ一応表面上は真っ当な側にいるという仮定で進めましょう(ただ、内通者はジルルダなんだよなぁ)。今の状況で敵の首謀者はゴズ、というジルルダの戯曲はほぼ正解ですし(ツェツェーリアって言っていないのは流石にわざとでしょうが)。
とにかく家から出ないように言われて帰ってきたナチルは、屋根裏に登って「千里眼のメダリオン」を見つけます。これをコウレイトウは、崩壊寸前のアパルトマンに隠しに行くことに。

ペリコと待機しているナチル。ナチルの母は普通にペリコを認識していますね。魔法は受け入れられなくても、子供は好きだから大丈夫だったのかも。無事コウレイトウが帰ってきた段階で、やってきたのはネリル。どうやらクラリスティアと共に敵を追っている様子。そしてその「敵」ゴズが現れますが、ナチルにはクゥにしか見えないんですよね。ゴズを追い詰めたように見えたのですが、麻袋に入った二つの首を見たネリは取り乱し、ゴズにやられてしまいます。
静かな怒りを纏ったクラリスティアが現れ、その会話からドリスもランもゴズに殺されてしまったことが明らかに。死闘を繰り広げるクラリスティアでしたが、途中でツェツェーリアが現れ、クラリスティアの記憶を操作。その隙にやられてしまいました。
ゴズが言うには、キットカットとミラージも殺した、との事ですが、キットカットは再び蘇ったのでしょうし(一度パンプルトンが暴走する前にクロが来ていたので、その時には生き返っていたと思われる)、ミラージは元々「この世界に姿を投影した存在」だったようなので、その二人はまだ無事と考えていいでしょう。
ツェツェーリアのいう「説得」に3度失敗している、っていうのは、あと1度は描写が無いですがまぁ、コウレイトウが知らない間に会ってるんでしょうね。特異性奇品を集めようとしている理由は、何とかしてアルムーンをもう一度創り出すためだと思います。この時はまだ贋作世界はありませんが、アルステラも壊してから、特異性奇品を元に世界を再構築することに賭けていたのでしょう。なぜツェツェーリアがゴズと手を組んでいるのかは、ゴズが「世界樹の一族」である故、ウールーの予言では未来が読めないことを利用したかったのだと思います。ゴズは、自分が安定した世界で生きるためにはツェツェーリアの話を聞くしか無く、従っていると。ゴズの言葉から、ツェツェーリアの記憶操作が「魔法」ではなく「妖術」みたいなものであること、「赤ノ定メ石」から得た力ということがわかります。ナチルは普通の人間なら死んでしまうほどの力でゴズに蹴られますが、恐らく「防護の魔法」により守られ、生きています。
二人は千里眼のメダリオンを捜しますが、見つけられません。「バスチャン」というのは、ナチルの父であるネルドの一族の名前ですね。ツェツェーリアの一族はバスチャンと犬猿の仲だったっぽいです(アートブックより)。ツェツェーリアが言う「アイツ」というのは、恐らくジルルダでしょう。そうしてゴズに襲われそうになるナチルですが、そこにやってきた「巨大な影」! これは、奥の手を使った……外道化したクラリスティアです。ゴズに攻撃し、燃え落ちてきた天井を支え、最後にナチル達と共にワードローブに飛び込みます。

巫女の間のウールー~混じり合う二人の記憶と――

ワードローブに飛び込んだ先は、ホテルの一室「巫女の間」でした。ワードローブは色々な異空間にワープできるので、魔法の力を使って外道化クラリスティアが連れてきてくれたのでしょう(キットカットはワードローブに飛び込む必要があると知っていたっぽいので、この時だけ巫女の間とワードローブを繋げていたのかも知れません)。久しぶりに現れたキットカットとウールー、ここに二人で隠れていて仲間を助けられなかったのは、これが全滅する以外の唯一の道だったから。
そのあとのウールーの言葉を聞く限り、二人はみんながゴズと戦っていたことは知らなかったようで、クラリスティアには敢えて聞けていなかったのかもしれません。そしてナチルは、ツェツェーリアのことを何とか思い出し、彼女のことを話します。奇品を隠したことも話し、アパルトマンに戻ろうとしますが、もう燃え尽きてしまったと。しかもTOが再発生しているとのこと。
ツェツェーリアに「千里眼のメダリオン」を取られる前に取り戻せ、とウールー。クラリスティアに頼まれて取ってきたエメラルド磁石とナチルの記憶を使って、「生まれ変わったアパルトマン」つまりカルチェヴィータにコンタクトを取れるそうです。贋作アルムーンに行くときには、ユリィカの日記をウールーが持つことによって、同じような力でコンタクトを取ったのでしょうね。

変わって、カルチェヴィータで見ることになる記憶の断片。ナチルが魔法少女プェリコの服を買って貰って喜んでいるところですね。このプェリコやポルカという名前が、ペリコの名前の由来らしいです(アートブック記載)。
そして同時に、ツェツェーリアの記憶も見えます。これは、ガレリア公に地下迷宮を作らせる最後の仕上げ、マナを宮殿に集めるための結界を張るところですね。
こうして、この迷宮に侵入している者の「記憶」が垣間見えることになります。ツェツェーリアは、ナチルにもらったアパルトマンの奇品からこの世界にアクセスしているのだと思います。

記憶:出会い~アルムーンでの記憶を持つ魔女

まずはツェツェーリア、ゆりかごにぶつかってアルムーンに落ちたところからですね。拾って助けてくれた芸術家の男はビスト。生きていくための金銭としての芸術と、表現したい芸術との間で悩んでいます。義手を渡したと言うことは、ツェツェーリアの手はこの事故で失われた可能性が高いですね。

そして幼少ナチル、お父さんが居ない理由を聞きますが、お母さんが愛情を伝えてくれたことで安心した様子。また、ナチルが灰化の欠片を食べてしまった時の様子もわかります。

ツェツェーリア、ビストに彫刻を教えて貰っているようです。今いる場所にはお屋敷に無断でアトリエを構えているということですが、ビストはまぁ大丈夫と思っているようですし、ツェツェーリアも受け入れている様子。これからどうするのか聞かれたツェツェーリアは出て行こうとしましたが、ここでビストは「結婚指輪」を渡します。マナを含んでいるということもあり、これもある意味、奇品と呼べるものでしょう。二人で暮らすことになった中、ビストは屋敷の主に芸術を認めて貰えます。

ここで一旦ナチルは目覚めます。ナチルにコウレイトウの様子が解る理由は、やはり何でも視えるウールーが居るからなのでしょう。ユリィカと同じ力ですからね。ただ、時間軸的にはナチルはコウレイトウの憑代となったユリィカには会っていない筈なので、「初めての感じじゃ無い」のナチルでは無く「コウレイトウ」なのかもしれません。

記憶:魔法整形~"持つ者"としての"責任"

黒猫に会うナチル。これは絶対キットカットですね。無神経なパンプルトンも出てきます。
一方ツェツェーリアたちは子供を授かった模様。これは流石に1回目、かな。ツェツェーリアは必死に、子供のために作品を作っています。そのあとの時間軸は、ちょっとわかりにくいですが、今回のイベントは妊娠1回目の話だと思われます。ツェツェーリアが必死に作品を作っているのは、それだけ彼女が強く子供を待ち望んでいるから、だと解釈しています。そんな鬼気迫るツェツェーリアの作品に、ガレリア公は心奪われたようです。ちなみにガレリア公が作品を見た際に、ツェツェーリアのミドルネームが「カミィ」であることがわかりますね。ベックリンが一緒に旅していたのが、モーラとカミィでした。

場面変わって、魔女術により、お腹の中の子供に何か問題があることがわかった二人。それを聞いて、ビストは養うのは無理だと言いますが、当然ツェツェーリアは自分での作品作りも含め、お金を何とかしようとします。ここが私少しわからないのですが、特異性奇品のワードローブを作ったのはビストなんですよね(これはアートブックに書いてあったし、アルステラのガレリア雑貨店でツェツェーリアが言っていた台詞を考えても間違ってないと思います)。ガレリア公に売ったワードローブは、ツェツェーリアがビストのものを真似して作ったということでしょうか。でも、ツェツェーリアは「私が作るようなおかしなもの」とも言っているしなぁ。うーーーーん。
一方、ナチルのお母さんは、ナチルの病気を何とかするためにジルルダに会っていますが、うまくあしらわれているような気がします。お母さんが魔女嫌いになった理由は、この辺にあるようです。

ここでナチルは再び起きます。ナチル視点だと、ウールーは勝手なことを言っていますね。ただ、ウールーそのものも世界の命運を押しつけられたと考えると、内心はナチル以上に苦しんでいるのだと思われます。

記憶:湖にて~おじいちゃん

青あざを作ったツェツェーリアがいます。もう何度も流産していて、もう何度も酔ったビストに殴られたのでしょう。湖に行こうと言ったビストの目がずっと死んでる……。ボートに乗った時、ツェツェーリアが提案した子供の名前は、恐らく「モーラ」でしょう。しかし、穴が空いていて沈んでいくボート。消したはずのビストの記憶は、ビストが隠れて付けていた記録(日記とか?)によって蘇っていたそうです。ただ、ツェツェーリアはガレリア公に助けられ、ビストは死んでしまいます。ここも、「真っ赤な血が」って書いてある辺り、ちょっと溺れたのか怪しいところはあります。

猫がガレリア公に殺されたのを知ったツェツェーリアは、気まぐれで猫を蘇らせます。ちなみに、この猫のつじつま合わせの存在であるアルステラのクロが、ウールーの友達(実は賢者だったらしい)と外道魔女化した存在が、キットカットだそうです。すごい因果だ。さらに、ガレリア公がビストにツェツェーリアとの関係をほのめかしたという話を聞いて、ツェツェーリアの中に静かな怒りが点ります。ツェツェーリア、ビストを愛していたのは間違い無いんでしょうね。

ナチルのお母さんは、アパルトマンをパンプルトンに売ることにしたようです。本当にパンプルトンは! 無神経! お見合いのこともそうですし。このお見合いの話は、ナチルと出会う前のものですね。

ツェツェーリアは、屋敷に結界を張って魔力場を作り、巨大な迷宮をガレリア公に作らせるよう仕向けます。しかしガータンという名前はツェツェーリアがつけたのでしょうか、ちょっとかわいいですね。35の奇品と言ったときにガレリア公が何か言おうとしたのは、勝手にツェツェーリアの作品達も奇品扱いになっていたからでしょう。本人は26の奇品と言っていましたからね。あと、ここで再びツェツェーリアが「私が作ったワードローブ」って言っているので、これはアートブックが間違ってるってことなのかも? あのワードローブはビストじゃ無くてツェツェーリアが作った、と。ワードローブの能力的にも、そのほうが自然ではあります(『ルフランの地下迷宮』の「小部屋」もツェツェーリアが作ったらしいですし)。
ツェツェーリアは、ガレリア公を殺し、強靱な肉体……チャンセルに居た巨大な石像に生まれ変わらせ、地下迷宮を守らせることにしました。こうしてツェツェーリアは復讐をも果たすのでした。墓守というのは、ビストを元に作ったビスマン卿のことでしょう。すべては、ツェツェーリアが子供のためにつくった奇品達(特異性奇品)を永遠に守るため。ツェツェーリアは本来、永遠に子供達のため祈り続けるつもりでしたが、子供達を失った苦しみに耐えられず、自分の記憶を少しだけ消すこととなるのでした。

ナチル側の記憶は、おじいちゃんを亡くした時の記憶と、母の容姿が理由でいじめられているナチル。そして、金の卵を産むニワトリの話はおじいちゃんがしてくれていたことがわかります。また、いじめられているところに居合わせたにもかかわらず、挨拶を促すお母さん……いや、人は弱いから仕方ないけど、そういうとこやぞお母さん! いい人なんだけどね、いいお母さんなんだけどね、そして自分の容姿のせいでいじめられている子供に、何て声を掛けたらいいかは難しいけれどもね……。

内通者、その魔女の名は~チュー! チュチュチュー!

目が覚めたナチル。ウールーの巫女としての話をしてから、彼女の"望み"を叶えたい、というキットカット。ウールーはきっと、この巫女としての義務から自由になりたいのでしょう、キットカットは少なくともそう感じているのだと思います。そのときやってきたのはジルルダでした。彼女はテロリストの話や環境庁にも一枚噛んでいたと。ここでのジルルダとキットカットの会話は、このゲームのディレクターの嘆きとも言われていますが、果たして。
追い詰められ、絶体絶命の3人。ウールーは「予言」し直すことでキットカットを助けようとしますが、キットカットは、今の予言が崩れるからと止めます。キットカットは今度はナチルに、君には敢えて向こうのマーガレット(ユリィカ)に会ってもらったんだ、という話をします。最初からキットカットは、ウールーのことをナチルに任せるつもりだったのです。クラリスティアはキットカットからは色々誤魔化されていたのでしょうね。キットカットは、「キミがいい女になるころ」に蘇る、と言い残してナチル達を庇い、死んでしまいます。ウールーは、今までキットカットが不死身に見えたのは自分の予言によるもの、と言っていますが、キットカットは本当に9回生き返る命を持っていて(これはアートブックに記載)、それはウールーに知らせていなかったのだと思います(これは明記は無いが、ウールーに秘密にしていることがあったのは確かなので。猫になれることとか)。
キットカットの事を話し、悲しむウールー。ですが二人の隠れている場所にも、ジルルダが乗り込んで来てしまいます。さっきキットカットが命を賭けて倒したのはジルルダの転写体でした。ジルルダはツェツェーリアに言われ、ウールーの命を狙っています。ウールーが死ねばこの世界も不可により消え、特異性奇品で世界を作り替える可能性を得られる、とツェツェーリアは思っているのでしょう。ジルルダの目的は、完全なる転写体を生み出す知識。彼女は本当に自分勝手な事を言っていますね。ナチルは自分に電撃を放ってジルルダに攻撃。ナチルは自分の魔力を使い、コウレイトウに人形兵の使役を頼みます。

ジルルダは倒しましたが、ナチルは魔力を失って髪を所々白くしつつ、倒れてしまいます。ただ、まだジルルダには転写体(いや、本体?)が残っていました。
ところがウールーに手を掛けようとしたその時、ミラージから渡されたらしい指輪が反応し、ジルルダはネズミになってしまいました。ゴズがロバになったのと同じ呪詛魔法ですね。

記憶 世界樹の一族~ウールーの過去

ゴズとツェツェーリアの出会いから。ゴズはアルステラを、ツェツェーリアはアルムーンを住処として選びました。最初はアルムーンが不安定でしたが、ツェツェーリアの作ったガレリアの地下迷宮によって、バランスがアルムーンに傾いたようです(これも見越してツェツェーリアは地下迷宮を作ったみたいですね)。ツェツェーリアはゴズに記憶操作をしつつうまく騙します。ゴズは、アルステラに帰ろうとすることにより発生した呪詛魔法で、ロバになってしまい、ツェツェーリアに記憶も消されます。ツェツェーリアはアルステラ側に手を打たれる前に乗り込もうとしますが、かなり力を失っていた上、アルステラのジルルダに撃たれて落ちてしまいます。しかしツェツェーリアは、ジルルダと取引(ジルルダの望みを叶える)をし、アルステラでの立場を得ます。
そのあとのツェツェーリアの独り言は、彼女の記憶自身が(自らの手でですが)曖昧になっていることを示していますね。彼女は特異性奇品の代わりになるものを求めて、ガレリア宮と対になる場所、ガレリア雑貨店に向かいます。ここでの会話を聞く限り、(アルムーンの)ワードローブはビストが作ったってことになるのですが、やっぱりよく分かりませんね。辻褄の合う答えを探すとするなら、ツェツェーリアの記憶が混濁しているだけで、作ったのはビストで合っている(アートブックに書かれているし、特別な7つの奇品ではないのでビスト作ということもあり得る)、くらいでしょうか。私は、シナリオライターの見落としで矛盾してるけど、ビストが作ったワードローブにツェツェーリアが特別な能力を持たせた、というのが一番美しいかなと思っています(目録はガレリア公の作った奇品なので、ワードローブもビストが作った設定のほうが綺麗だなと)。

ここでウールーが語る自身の過去。ウールーもユリィカと同じように裕福な家(多分同じような家)に生まれましたが、ユリィカと違うのは、自分に予知の力があると自覚し、それを当てにして家を出たこと。ずっと大人に利用されて生きていたのですね。
ナチル越しにツェツェーリアの話を聞いたウールー。ゴズは復讐のためにツェツェーリアに手を貸していたと予想していますが、ゴズも居心地のいい「新しい世界」が作られることに賭けてツェツェーリアに協力していたのでしょう。千里眼のメダリオンを手に入れれば、ツェツェーリアは恐らくここに来る、それを迎え撃つ、とウールー。ナチルの心配をするペリコはとっても可愛いし、それを気遣うナチルもすごく可愛いなぁ。ペリコはホントに癒やし。

忘却の霧、そして決戦

ツェツェーリアと血溜りのスカーレットが戦っています。これはナチルの視たビジョンですが、恐らくウールーの力でしょう。ツェツェーリアはコウレイトウをつけて(ジルルダから大体のことは聞いていたでしょうし)部屋にやってきます。前からずっとナチルが忘れていると言っていた「大切な事」は、恐らくユリィカのことですね。アパルトマンでの「奇品」はアルムーンとのバランスを取るため生み出されたレプリカであること、それには魂(アニマ)が無いこと、だからナチルを利用してアルムーンから特異性奇品を取りに行かせたことを、ツェツェーリアは語ります。さらに、奇品は「作ることで死ぬ」ものだということを語るツェツェーリア。作品作りに命を賭けたことで、作品に魂を吸い取られて。ちなみに「ニカワ」とは天然素材の接着剤という認識でいいと思います。ツェツェーリア自身は奇品を作る際、自分の魂を分け与えたらしい(生まれる子供の魂のことを言っているのか、本当に自分の魂を分けたのかはわかりません)が、魔女だからなのか死んでは居ません。ただ、心は毎回「死んで」いたのだと思います。
ツェツェーリアや、ナチル、そしてゴズのことを、ウールーが「予言」で視ることができなかったのは、3人が世界樹の一族だから。自分が世界樹の一族なはずは無いと言うナチルに、ツェツェーリアはお母さんを引き会わせます。お母さんは、ツェツェーリアの言うことは全部本当だと。そして、お母さんは既に死んでいて、今居る姿は転写体だったと。2年前なので、ナチルがアルムーンに行っている間に亡くなったのだと思います。ナチルはやはり、お母さんが何より一番大事なので(その事は、今まで丁寧に描かれていましたからね)、ツェツェーリアに奇品を渡そうとします。
しかしお母さんは、最後までナチルの意思を尊重しようとしてくれるのです。ただ、間に合わずにお母さんは崩れてしまいます。たまらずナチルは千里眼のメダリオンを渡してしまいます。これら9つの特異性奇品は、ツェツェーリアの失われた魔法能力をもそれぞれ封じていた、という事なのでしょう。ですがナチルの母を生き返らせることは「もう無理」との事。アニマ、魂が無いと転写はできないと(なら、後のオババ様も転写体とは言え、魂は本物のナチルだったと言うことですね)。
魔力を取り戻したツェツェーリアは、巫女の間の結界すら破り、忘却の力を使います。忘れることでしか進めない道もある、とツェツェーリアが言っているのは、自覚無しに自分への皮肉にもなっていますね。正直、ユリィカのことを忘れているナチルは、ここでウールーや世界のために抗うのは無理だったでしょう。コウレイトウは引き剥がされます。ユリィカから引き離されたときのことも考えると、恐らくあまりに人格や意識(それは、魂と結びついたものなのでしょう)が変化すると、憑代にできなくなってしまうのでしょう。
ウールーの記憶を完全に消すことで、彼女の心は死んだも同然となり、不可の封印が解ける。そのためにツェツェーリアは、ウールーの記憶を全力で消去します。ですがウールーも最後の力で、ナチルの記憶の一部だけは守ろうとし……そのまま、ウールーの記憶消去は完了してしまったのです。

少女リコ~人形岩

ここからは、誰を憑代にしているでもない「コウレイトウ」が傍観者として視ている、ナチルの物語。いつの間にか自宅付近に居たナチルは、髪の色も変わり、ペリコのことも、全てのことも忘れてしまっています。ここでのペリコが本当に健気で泣けるのです……。「おーらいとー!!」 って叫んでるのが「コウレイトウ」のことって言うのも胸が痛い。ここにいるのにー!

新聞によるとムーンソサエティはほぼ全滅したと読めますね。少なくともツェツェーリアは全滅したと思っているでしょう。ペリコはとにかくナチルに献身的!ネズミもナチルを元気づけるためなんだよ。ナチルは魔法書と、ツェツェーリアに貰った指輪だけは持っているようですね。ツェツェーリアはこれは要らないと思って見逃したんでしょうね、魔法書も、髪色が変わる程魔力を失ったナチルが持っていても、使えないだろうと踏んだのかも知れません。ナチルは根が優しいからか、ペリコを放っておけず、しばらく一緒にいることにします。この時ツェツェーリアの指輪をペリコに渡しています。

不可はやはり復活しているようですね。ただ、世界が消えるまであと100年くらいはあるみたいです。魔法生物の兵士は治安維持を続けていて、殺気立った雰囲気です。ナチルはなけなしのお金でペリコに手帳を買ってあげますが、ペリコはユリィカがつけていた日記の存在を思い出して「いっき」と言っているようです。

ペリコを待っているナチルの前に、パンプルトンが通りかかります。が、手を触れた瞬間、暴走パンプルトンの記憶を思い出してしまうナチル。ナチルは感情的になるとすぐ魔法を使っちゃう。そしてすぐマルクはナチルの攻撃から庇おうとする……。マルクはもう一歩描写があると良かったなぁといつも思います。ここで、魔法を見られてしまったため、ナチルは無期懲役。ペリコはどうやら、「うい」つまりユリの日記を探しに行っていたようですが、ナチルには会えませんでした。

ペリコはパンプルトンに拾われて言葉を教わり、獄中のナチルに手紙を送ってくれます。このときユリィカの日記も一緒に送ったようですが、没収され、それをパンプルトンが回収していたようです。マルクが旅に出た、というのは、植物人間状態なのか、行方不明になったか(コーラルサリィが延命していたようなので、潜伏場所にマルクも連れて行ったという事なのかもしれません)、少なくともマルクの状況が変わったことは間違いないでしょう。おっちゃんパンプルトンも病院から戻らないそうです。ペリコはずっと手紙を送り続けていたようですね……。
看守の言葉から終末感漂う中、ナチルは……オババ様になっている! 初見で正体に気づいたのは、ナチルの髪から完全に色が無くなった時でしたが、それでもこの出方は驚きましたし、何より懐かしのオババ様で嬉しかったです。
ナチルは受刑者のために色々している(冤罪の人も多いでしょうし)中、特赦で刑務所を出ることに。

刑務所から出たナチルが見た「人形岩」は、時間と共に動かなくなったペリコでした。魔力が無くなったというよりも、行くところが無くなってずーっと刑務所前で待ってるうちに、風化して石みたいになってしまったのかなと思います。

マダム・マルタ~ユリの日記 仮初めのアルムーンへ

ナチルが刑務所に入ってからほぼ100年、世界は不可の影響でかなり荒れ果てているようです。薬を取りに来た女性(どうやらパンプルトンの妹のひ孫らしい)の子供フォージーは、ジルルダの転写体がさらに転写体として生み出した存在のようです。フォージーが幼い頃、この女性に預けられたようですね。フォージーがペリコと遊んでいる描写を挟みつつ、ナチルがマダム・マルタと呼ばれるようになった理由もちゃんと書かれていますね。そしてナチルはまだユリィカのことを忘れています(最後にツェツェーリアに記憶を消されるよりも、もっと前からですが)。ペリコはここから、ユリィカの日記を探すことになります。
そして二十年後。フォージーは大きくなっていますが、ペリコはペリコ。アルステラもあと数年らしい。フォージーは不可と戦っているようですね。旧ソサエティタワーの魔術書は、魔法を使った痕跡が無いのに盗られたという話ですが、それを聞くナチルはにっこりしているので、盗んだのは鍵開け可能なナチルかもしれませんね(実は魔女では無いキットカットの可能性も)。
妊娠しているフォージーですが、終末は近そう。そんな中、フォージーがパンプルトンの手紙をナチルに渡します。

パンプルトンの手紙。ナチルはジルルダに目を付けられていたのもあり、政府から調査の要請が来ていたようですね。他にはペリコやマルクのこと、そして「ペリコが刑務官に押収された日記」のことが書かれていました。手紙と一緒に日記もあったのか、ペリコが日記の存在を教えてくれます。日記を開くことで、やっとナチルはユリィカのことを思い出すのです。それ以外の全ても、この日記で思い出します。
そしてそこに現れるのはクロことキットカット。ここまでクロの描写は一切無かったのですが、流石に復活したのは今では無く、記憶を無くしたウールーと共にどこかで隠れていたのではと思いたいです(そうじゃないと、ウールーが路頭に迷ってしまうし、あんな純粋なままじゃ居られなくなるだろうし)。キットカットは特殊な外道魔女という話、「ある人の力」というのは、融合した魔女ケティ(彼女は覚醒していなかったけれどネザーランドの名を持つ賢者だった)の力の事だろうと思います。
ナチルは自分の母のことを黙っていたキットカット達を責めますが、キットカットはウールーの不遇な運命のことを話し、彼女だけは許してくれるよう頼みます。若いナチルだったら絶対許していないでしょうが、年を重ねたナチルはある程度それを受け入れたようです。キットカットは、ウールーとユリィカが陽の巫女であることを語り、二人の絶望や精神的な死により「不可」が生まれた、という話をします。
首謀者であるツェツェーリアは恐らくアルステラの滅亡を待っている、ということは滅亡の先に何かあるのかも知れない、ということをキットカットは言っているのだと思います。そこでナチルはユリィカの日記を見て、ウールーの能力を思い出します。アパルトマンの変異したカルチェヴィータへ行ったと同じように、この日記とナチルの記憶を使えば、ウールーの力で「仮初めのアルムーン」に飛べるのではないか、と。ちなみに、アパルトマンに隠した千里眼のメダリオンがカルチェヴィータにあったことを考えると、仮初めの……「贋作世界のアルムーン」って、結構本物アルムーンに近しい存在と言えるのかもしれません。ナチルがコウレイトウを呼ぶと、コウレイトウはちゃんと憑依できますね。やはり人格や意識が元に戻ればもう一度憑代として戻れるということでしょう(年齢は関係ないんだよ!)。こうして贋作世界でアルムーンに飛ぼうとしたナチルですが、何とここで寿命が! ここからの描写はありませんが、恐らくキットカットがフォージーを呼んでナチルの転写体を作って貰った→ナチルの記憶は曖昧だったが日記や報告書を見ながら成すべきことを思い出し、コーラルサリィやマルクの力を借りる約束を取り付けてから(後にオババ様が「アタシの思いつき」と言っているので)、ペリコと共に贋作アルムーンに飛んだ、という流れになるかと思います。

不可思議なる観測者――再び

ここからの描写は、ナチルの魂が転写体として蘇るまでの「走馬灯」のようなもの、なのでしょう。最初は色々混濁していますね。凱旋パレードは、恐らく死んでしまった者達の集まり。そしてナチルのお母さん、しっかりナチルを送り出してくれます。そして(上記のように色々あって)、気づけばナチルは仮初めのアルムーンへ。まずは下準備! ナチルがペリコに贋作世界のナチルの話をするとき、完全に詐欺師に気をつけろみたいな物言いで話してるのは面白いですね。霧のヴェールでとうとうペリコも消えます。コウレイトウはやはり、記憶が完全では無い転写体のナチルには、憑依は難しいのかもしれません。
そうして、ユリィカを無事呼び出してからの出来事ダイジェスト。詳しくは今までに書いているので割愛。そうしてナチル……オババ様のところに戻ってきた、全てを見てきた「コウレイトウ」。市民の不満は何が切っ掛けであっても爆発する程溜まってたので、多分革命を防ぐのは難しかったのでしょう(というか少なくとも、トマースを監禁でもしないと駄目だ)。でも、今回オババ様は「不可」を封じるために、9基のピラーを作って準備していました。このピラーとガレリア宮のマナを使って封じるつもりのようです。
ガレリア宮付近は不可の影響で時空が歪んでおり、迷宮のようになっているので、コウレイトウが人形兵と先導して向かうことになります。ピラーに名付けた「愚者の柱」の「愚者」とは、タロットの愚者で、魔女に近い存在という考察が正しそう。逃れられない終末に抗う愚か者、という意味ももちろんあると思います。

ピラー 宿る念~そしてガレリア宮へ

ここからは、ピラーを壊す……というより「開放」する場面と、今までオババ様がやってきたことが垣間見えるイベントになっています。ピラーを守るもの(敵)が現れるというのも都合のいい設定ですが、まぁマナを溜めるということはそれだけ危険を伴うことなのでしょう。オババ様の記憶が見えちゃうと言うのも、恐らくピラーにオババ様が込めたマナの影響なのでしょう。

ペリコとオババ様の会話。ペリコが関わって事態が複雑化するのを防ぐため、ユリィカとの距離感など色々念を押しますが、その中でユリィカを憑代にすることを思いつくオババ様。ナチルはウールーと一緒に居るときに「千里眼の力」を体験しているので、ユリィカも地下の様子が見られるのではという期待も。

ビスマン卿との出会い。どこかで見たような、というのは、ツェツェーリアの記憶で垣間見たビストを思い出しているのでしょう。本物世界では落ちなかった額縁が落ちたことで、オババ様は運命の揺らぎに不安を覚え、ユリィカをきっちり呼び出すことにします。その結果が、あの張り紙なわけですね。

ビスマン卿の言う「この皿は……?」がどういう状況かは不明ですが、「女中」と言っているので、ここはコーラルサリィがオババ様に捜索の時間をくれたという場面なのでしょう。ここでビスマン卿が人形であることを再確認。ツェツェーリアが糸を引いているという前提のもと、お屋敷に結界を張ったりネズミ狩りをしたりと対策を始めます。

今度はコウレイトウとオババ様の会話。このコウレイトウは、オババ様が言うとおり「初めて」のコウレイトウなので、まだまだ何の能力も持っていません。色々な能力をこれから与えて行く必要があることを悟り、オババ様は「レッスン」のために自ら目録を地下に隠しに行きます。壁を壊した先に置いたってところがポイントですね。よく見たらナルテックス地下1階にだけは、奇品が2つありますもんね……(他は1フロアに奇品は1つずつ)。ちなみにオババ様はマナに耐性があるので(魔女だから)、迷宮に自ら入ることもできます。

異世界との繋がりが完全に切れている、というのは、例えばナチルとキットカットが会話できないとか、そういう事かと思ったのですが、そうでは無さそう。ここで言っているのは「地下迷宮」での話。本物アルムーンの迷宮では行けた「狭間の隠し部屋」に行けなくなっていることを言っているようです。微妙に違う部分があるというのは、コウレイトウの迷宮探索が1回目だからというのが大きいかと。
オババ様はペリコに留守を頼み、ユベール王子が屋敷に来ないよう手を回しに行きます(多分王子の体調を崩しに行った)。

ピラーを呼び出すオババ様が元気じゃ無くなっているのが心配ですが……。
今度は猟師のハンス。敢えてルヴァリエール王妃と会わせることにしたようです。

ペリコと指輪の話。この場面は既に「ユリィカから」指輪を返して貰ったあとのようで、ペリコは自慢げに指輪を見せてきます。まさかここでツェツェーリアの指輪が役に立っているとは、って感じですね。あと、人形に戻ると首が取れやすいってことみたいです。前にも書きましたが、ユリィカが見つけた「石」は、指輪に使われている石と同じものだったらしく、流石陽の巫女と言ったところでしょうか。

倒れたオババ様(前にも書きましたが、ペリコが助けを呼びに外へ出た後、オババ様が動かなければ辻褄が合わないので、ペリコの居ない時に仕事を全部完成させてから倒れたのだと思われます)が、目を覚ますところ。オババ様は、過去に素直になれずユリィカへ言えなかった気持ちを、ユリィカに伝えます。
その後やってきたのはカヤックことマルク。ペリコがピラーの材料を集めたりするのを、助けてくれていたのだと思います。マルクは本当にナチルが好きなんだよなぁ……(まだ描写に納得いっていない私。設定は大好きなのですが)。マルクが最後に言う「若い子たちの面倒」というのは、勝手にずっとアルステラの人たちのことだと思ってたのですが、そうじゃなくてユリィカとナチルの事ですね。
入れ替わりに入ってくるトバさんことコーラルサリィ。ウールーは亡くなったけれど、この贋作世界は保たれている、と。コーラルサリィは、ツェツェーリアや転写体が何か成すのを抑えるため、屋敷に結界を張ってくれてたみたいですね。こういう生活が合っていたのかも、と言ってコーラルサリィは去って行きます。本当はムーンソサエティに居るよりも、普通の生活をしたかったのかもしれません。

最後の記憶は、まずはオババ様ではなく、マルク達のもの。ケイは暴動の影響で流産し、自殺しようとしていたので、止めるためにコーラルサリィが憑依したようです。ケイが発狂したら二・三発叩いて、と言っているのはコーラルサリィ自身なのですが、カヤックがケイを殴ったらそりゃユリィカは怖がるってものなんですよ。
オババ様は、先の未来を見たいと願って死んだユリィカに謝る夢を見ます。今度はユリィカが死なずに済むよう、オババ様は必死に身体に鞭打ち、立ち上がります。

上位26環を目指す一族~エリクシール

マナ濃度に耐えられなかった者たちの死体が転がっています。ハンスは虫の息だったというところでしょうか。そこに現れたのがゴズ。エリクシールのお陰かツェツェーリアの力で、アルステラでは生き延びていたのでしょう。彼はずっとツェツェーリアと共に(もしくは連絡は取りつつ別行動で)ウールーを張っていたようです。そこからこの贋作世界に渡ってきたのですね。ゴズは不安定な世界を渡り続けるよりは、この世界の修復に賭けているようです。世界樹の一族の故郷を壊した魔女というのは、前作ルフランに出てくるフルーラの事でしょう。

旅団でゴズを倒すオババ様。ゴズが呼ぶと、ツェツェーリアも現れます。人形兵を止められなかったゴズを見限ったのか、ツェツェーリアはゴズをロバの時の記憶に戻します。ゴズは、男に記憶操作は効かないはず、みたいな事を言っていますが、ゴズは前回も記憶を消されたし、パンプルトンも記憶を混濁させられていたので、実際には男性にも記憶操作は効きますね(多分、何度もゴズの記憶を操作していたツェツェーリアは、ゴズに不信感を抱かれないように、「男には使えない」と嘘をついていたんでしょう)。
ツェツェーリアは、ペリコの姿(昔ビストが作った人形)に思うところが合ったのか、目を覚ましてあげます。ここで少しだけペリコの心が動いたような気がしますね。ツェツェーリアは、「空間が離れてきた」と言っていますが、これは時空の歪みのことを言っているのでしょう。ツェツェーリアがオババ様を殺そうとした時、ハンスが助けてくれます。オババ様と、もし危ないときは助けておくれ、というような約束をしていたのだという話です(アートブック記載)。やっとガレリア宮に乗り込もうと言うとき……なんとオババ様は倒れてしまいます。
ここで回想。フォージーがオババ様の転写体を作る前の話ですね。結局、オババ様がどれくらい忘れていたのかはわかりませんが、ユリィカへの感情を覚えているだけでも上々かな、と思います。
そんな中、オババ様を呼び戻したのは、この世界のナチルでした。ナチルは(アルステラに帰れなかったっていうのもあるとは思いますが)、ちゃんとオババ様達を探しに来てくれたのです。オババ様は元々、贋作世界のナチルに頼る気は無かったんですね! でも、ナチルに全てを託すことが運命だったのかも、とも。オババ様は今の状況を話し、「千里眼のメダリオン」で、自分の過去や記憶を視せます。今のオババ様が忘れている記憶も視えちゃうんですね、それはありがたい。ともかく「不可」を封じろ、そこから先は好きにしな、と言うオババ様。ユリィカにもエリクシールを飲ませてあるから、3人で行け、と。
最後のペリコとオババ様のお別れは、もうなんとも切ない。そして最後に、「私たちは、深い愛情で慈しんでくれたお母さんの娘だ」と言い残し、オババ様は人形となり崩れ落ちました。灰化の結晶による病からは、どうやっても逃げられなかったのでしょう。
決意を新たにしたところで、生きていたユリィカもやってきます。ここまで連れてきてくれたのは、ケイさんの……魂、と言っていいのかな。ユリィカなら視えるのでしょう。アルムーン唯一の良心だったケイさんがここで助けてくれたのも、なんだかいいですね。ナチルの言った、オババ様がピンピンしているって嘘は、ある意味、嘘じゃないとも言えます。ナチルはユリィカにも一緒に来て欲しい、と、素直な気持ちを伝えることができましたが、これはオババ様の記憶があるからこそ、のように思えます。

魔女ツェツェーリア~不可を封じる奇品

ユリィカの力によって迷宮を抜け、ツェツェーリアの元に辿り着いた3人とコウレイトウ。全てを視たナチルは、「ワタシたちには無理かも知れない」が「不可は絶対に封じられる」と言っているので、この時点でナチルはツェツェーリアに不可を封じてもらうつもりだったようです。その発想に至れなかった「転写体のオババ様」が忘れていたこととは、ツェツェーリアの強大な能力のことだったのかもしれません。
ツェツェーリアは、「死んだ我が子達が生きている世界」を作りたいそうです。今の世界のままでは絶対に叶わないこと、だからこそ彼女は世界を一度壊す必要があったのです。再構築に賭けるしか無かったと。でも今のナチルは、オババ様の意思を継いで、不可を封じる未来に賭けています。衝突する二人は、最後の戦いをはじめます。

ツェツェーリアを倒した旅団。ツェツェーリアは、再び記憶操作しようとしますが、その前にナチルが「贋作世界の奇品」をツェツェーリアに見せます。ここもわかりにくいですが、多分こっちが本物の(ツェツェーリアの子供の魂が宿った)特異性奇品ですよね。本物ナチルが持ち帰った本物アルムーンの特異性奇品は、次元の違う「狭間の隠し部屋」で手に入れたものなので、恐らく辻褄合わせのために作られた奇品なのだと思います(効果は同じようですが)。その、本物の子供の魂を目の当たりにしたからか、ツェツェーリアは忘れていた記憶を思い出します。
ツェツェーリアは、ビストの記憶を消して、何度も何度も子供が生まれる直前までの時を繰り返しましたが、ビストの暴力などで全ての子供が流産してしまいます。「しかし何度でもやり直せばいい、子供達の魂を奇品として」というのは、死んだ子供達の魂を使った奇品をガレリア公に売っていた、ということ……なのだと思います。ツェツェーリアはとにかく、何としても子供が欲しかったのですね。きっと、今まで生きていた中で一番幸せだった、ビストとの時間の象徴だから。
「ようやく……終わった……」の場面からは、ガレリアの地下迷宮を作った後の時間軸ですね。ツェツェーリアは、本当は「生まれるはずだった」亡くなった自分の子供達を、永遠に鎮魂することが願いだったのです。それを、記憶消去により忘れてしまっていたのです。
全てを思い出したツェツェーリアは、ナチルの持っていた本物の特異性奇品を使い、不可を封じる奇品を創り出します。ちなみに太陽と月の紋章って言ってますが、これは本当は星と月の紋章ですね、これはツェツェーリアが知らなかっただけだと思いますが。ツェツェーリアが不可に押されそうになったとき、オババ様が作ったピラーが不可を抑え込んでくれて、何とか奇品の力で不可の力を封じることができました。ここからは、旅団の出番です。

ペリコ~涙と雪

不可を封じ、小さな「うごめく赤い渦」にすることに成功したコウレイトウ達。ツェツェーリアは、それを世界の外に捨てに行くと。最後にナチルが「生き返らせてくれたこと」に礼を言うツェツェーリア。記憶を忘れたことによって死んだようになっていた「本来の自分」が生き返った、という意味なのでしょう。
35の奇品を集めていれば、ここでツェツェーリアから「不確定未来の結晶体」を受け取ります。元々、ツェツェーリアが子供を蘇らせるために使おうとした力。「世界の存続」という観点から言えば……永遠に同じ事を繰り返す世界は、「存続」していると言い難いから、やはり世界は壊して再構築する必要がある、ということをツェツェーリアは言っているのでしょう。堅物な古き友とは、ベックリンですね。この世界の巫女としての力を持つユリィカなら、世界の再構築もうまくいくだろう、とツェツェーリア。
ここで、ペリコがツェツェーリアのところに行く選択をします。何らかの力でずっと生まれることを妨げられていたツェツェーリアの子供が、スーヤの手鏡によって「生まれることができた」存在であるペリコ。やはり、ペリコはビストとツェツェーリアの子供だった、ということなのでしょう(アートブックには「誰にもわからない」と書かれていますが)。最後に、今度こそ一周してツェツェーリアの元に戻ってきた、「ビストの結婚指輪」。ツェツェーリアは、最後にやっと「子供」と手を繋ぎ、世界の外へと消えていきました。

ここで、黄金の卵を産むニワトリの話が、ナチルの声で再び出てきます。一番最初に書いた通り、黄金の卵=永遠に繰り返される幸せな世界、鶏の腹を引き裂く=理想の世界が創り出されることに賭ける、ということでしょう。
不可により時空が歪んだままの世界で、コウレイトウとはぐれたナチルとユリィカは取り残されそうになっています。奇品の力さえ及ばないくらい遠い場所のようです。ここでも、ナチルは結構素直に、いまのユリの方が好き、と言っていますね……。隙を突いてユリィカを、ガレリア宮のエントランス方面へ押し出すナチル。これはあくまでイメージであって、ナチルは世界樹の一族の力で、ユリィカだけを元の世界へ返したのかも知れません。そして、ナチルは(「運命収斂」から逃れた者を「不可」は追うように顕現する、という設定があるようなので)次々生まれてくる「不可」のような存在と戦い続けることを決めるのでしょう。きっと何かの切っ掛けで不可が生まれないようにするため、新しいアルムーンは繰り返しの世界になっているのだとも思います。
最後、黄金の卵を産むニワトリの話の続き。もしも鶏の腹を引き裂くことが愚かだと非難されるとしたら、「私は、なにもかも忘れるだろう」と。ナチルはユリィカを愚かな者にしないよう、自分自身が金の卵を産む鶏だと言うことすら忘れて、ただ無心に卵を産み続ける……世界を守るだけの存在になる、というような意味合いなのだろうと思います。でもそれは、ユリィカにとっては、あまりにも悲しいことだと思うのです。

目が覚めたユリィカ……「金髪の少女」は、新しい世界の住人達に迎え入れられ、この世界で永遠の幸せを生きることになります。が、きっと何か切っ掛けがあって、記憶を取り戻し、「不確定未来の結晶体」を持ってナチルを探す旅に出ることになるのでしょう。ナチルを助けるため、そして可能性は低いけれど、新しい世界が生まれることに賭けて。

ミラージ、母の代理人

このイベントは、カテドラルに入ってからのもの。ここに来るまでに、ユリィカ(またはコウレイトウ達だけ)はグラン・コリドールに向かい、ベックリンと会い、その過程で(コウレイトウが)色々な感情や力を失ってから、今の世界を壊せる(新しい世界が再生する可能性がある)場所、カテドラルに辿り着きます。ナチルがここにいるのは、不可から世界を守るためでもあり、我々のような「鶏の腹を裂こうとする」者達から世界を守るためでもあるのでしょう。
カテドラルの入り口に居たナチルの残留思念を倒すと、「行ってあげて。あいつのところに」と言われます。ナチル自身も、一人で戦い続けることに、迷いがあったのでしょうね。

というわけで、カテドラルの365年層で、オババ様に会うユリィカ。これも(オババ様の記憶を受け継いだ)ナチルの残留思念みたいなものなのでしょう。オババ様はユリィカに、ずっと見守っているからね、と。オババ様は……ナチルは、本当にユリィカの優しさと勇気に救われたんだろうな、と思わせる場面でした。
そのあとは、ナチルとミラージ。恐らくこれは、カテドラルに来たばかりの時のナチルと、ミラージの会話なのでしょう。ミラージは「本当の母」の代わりにナチルを追ってアルステラに来た、実体を持たぬ者だそうです。ナチルがアルステラに来たのは事故、魔法書は母が書いたもの、ナチルの身体に「魔法の加護」を施したのも母。323万8762体の人形を束ねる魔女……!横浜市の人口レベルだよ! というわけで、ナチルの母は前作『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』に出てくるマズルカ、父は世界樹の一族であるネルドでほぼ確定だと思われます。ミラージはマズルカの作った人形なのか人間なのかはわかりませんが、人形のような気がするなぁ。ナチルは、産みの母について聞くことはありませんでした。それだけ、「お母さん」が大好きだったのでしょうね。

ソレイユ家での、占いごっこ~両親、そして名付け

ここで視ているのはユリィカの記憶なので、カテドラルとは、世界にいる(いた)人の思念を映し、遺していくような場所なのかもしれませんね。ユリィカが、母の不倫を間接的に言い当ててしまったときのことを、夢に見ていたようです。恐らく、ユリィカが一番後悔していることなのだと思います。

今度はウールーである71号と、後にキットカットとなる孤児32号と猫の場面ですね。賢者の素質があった32号(ケティ)と、アルムーンで生き返った猫のつじつま合わせの存在である黒猫(クリストファー)が、轢かれた際に「外道化」して融合したのがキットカット。キットカットが71号の心を開いています。

次は、ナチルのお母さんがナチルを拾った場面です。金髪だったナチルですが、泣き出したナチルの髪はみるみる赤くなっていきました。魔力量が髪色に関係するという話なので、ここに無事落ちるまでに(無意識に)魔力を消耗したのかもしれません。

幼いユリィカ(マーガレット)と、その母の場面。巫女(魔女)である母が元々持っていた「視る」力が、ユリィカに受け継がれていることを母が悟る場面ですね。あまり、能力を受け継いで欲しくは無かったようです。「ユリィカ」という名前もここで出てきます。

そのあとは、ユリィカことマーガレットが生まれたときのシーンです。父も母も、母が巫女であることは知っていたのですね。父はここでマーガレットのために曲を作り、それが国中で大ヒットしたとのこと(アートブック記載)。

二人の陽の巫女~名ヲ忘レタ魔女

今度は、カテドラルを進んでいるユリィカが、ウールーの思念体に会ったところだと思います。二人は陽の巫女、予知と千里眼の魔女。二人が話せるというのは、本当に奇跡ですね。

今度は、ツェツェーリアと、ナチルの乗ったゆりかごが衝突した場面。ここでツェツェーリアはビストのいるアルムーンへ、ナチルはコルベール(お母さん)のいるアルステラに落ちます。ユリィカとウールーが生まれた瞬間空に見えた流れ星は、落ちていくこの二人なのです。この出来事が切っ掛けで、アルステラとアルムーンは二つに分かれることになりました。虹色に輝く二つの光が何なのかはわかりませんが、マズルカは何らかの理由でナチルをどこかへ運ぼうとしていたのでしょう。虹色の光は、ナチルを運んでいた何か、または誰か、なのかもしれません。
また、ツェツェーリアがビスクドールを見たことがあった、という描写もここで挟まっています。

マーガレットの花畑は、ユリィカがお花にお願いしたことで出来たものだったんですね。もしかしたら、本当は「予知」の力によるものなのかもしれません。無邪気なユリィカだったからこそ視ることのできた、未来の景色なのだと。

やっとナチルの元へ辿り着いたユリィカ。ナチルは、恐らく本来の姿である鳥人間のような出で立ちになっていますね。ユリィカの話を聞く限り、「繰り返しの世界」は自然の匂いも薄れる程「幻」のような世界みたいですね。ユリィカはそうではなく、しっかりと「存在」する、常に生まれ変わる新しい世界を作りたいと望んでいるのでしょう。そして何より、ここでたった一人戦い続ける友達を助けたいのだと。

創世、そして最後までありがとう。

やっと「名を忘れた魔女」を倒し、ナチルに語りかけるユリィカ。名前を思い出すことで、ナチルは「ナチル」として元に戻ります。ナチルそのものが「繰り返しのアルムーン」を支えている存在なので、彼女がここを離れれば世界は崩れるようです。だとしても、ユリィカはナチルの犠牲に成り立つ世界は嫌だったのでしょう。アートブックにも書いてありますが、ナチルはアルステラやアルムーンの世界の住人ではない上、このナチルは贋作世界のナチルなので、贋作世界を消して新たな「ウル(アルステラとアルムーンが一つになった世界)」を作った時点で、消えてしまうのは避けられないのです。そしてそれをナチルも、ユリィカもわかっていた。それでも、それでも、ユリィカはナチルを助けたかった、と。
二人は、「自分がやりたいから」と、コウレイトウと3人で、新しい世界を作ることにしました。

ベースの世界は、アルステラもアルムーンも混ぜちゃうそうです。世界はマーガレットでいっぱい。
パッチ、そしてロマール。パッチは浮浪児じゃない姿で、ちゃんと家族が居るようですね。ロマールもちゃんと実体があるのでしょう。ユベール王子は、身体を男性にして貰えているようですね。でもきっと男性が好きって言うのは変わらないんじゃ無いかな……。心は成長しているようでなにより。ここでノートン卿が、実はトマースを好きだったって事も明らかになりますね。ばっちり髪もサービスしてもらっています。

マルクはガールフレンドと、お姉さんの結婚祝い(コーラルサリィ、結婚したんか)を選びに行っています。ただ、マルクの中には少しナチルの記憶が残っているようですね。アートブックでは、前の世界と記憶を共有することは「絶対に無い」、と言っていますが、それなら多分、新しい世界を作ったナチルがマルクに「私の記憶を持っていて欲しい」と無意識に願ったんじゃ無いかなと。

ルヴァリエールとハンスは本当に姉弟になっちゃったんですね。確かに合ってる気がする不思議。ルヴァリエールがパンを買いに来た、という理由は可愛くて少し安心。トマースは去勢してもよかったと思うよ(ぼそ)。ケイの相手はトマースのままなんですねぇ。トマースが少しでも変化してくれていることを祈るよ。私もケイさんの幸せは守ってあげたい!

カヤックとトバは、夫婦みたいな雰囲気ですね(本来は夫婦じゃ無かった)。そしてロバのクゥもいるし二人がパッチの親かな、と思いましたが、子供が居ないらしいので違うようです。トバさんの(ナチルから見た)イメージにコーラルサリィも入っちゃってて、微妙に才女の知識が混じっているのは面白いところ。

ムーンソサエティのみなさん。ランとスカーレットもさらりと存在をアピールしてますね。ネリは何か引っかかってる感じです。ナチルのこともだし、キットカットのこともかな。ジルルダはぱっと見の性格は変わってないけど、野望は無くなっているといいなぁ。クラリスティアは、もっとはっきりナチルのことを覚えていますね。やはり、ナチルにとって「大切な人」の中には、ナチルの記憶が残っている(というよりそう作られた)のかな、と。
ミラージは、実体を持たないからなのか、記憶そのままの状態みたいですね。一応この場所は新たな世界ということでいいのでしょうか。会話の相手はマズルカだと思います。残念がっている内容は、ナチルにもう会えないことなのかなと。「彼の者」とは、コウレイトウ(レキテーちゃん)の事でしょう。最後のミラージの台詞は、何か続編に繋がりそうな意味深な言葉ですね……。コウレイトウや、ナチルの魂のことを言っている可能性もあるのかな?

ユリィカは、自分の家庭に自分が生まれることを選ばないんですね! ユリィカは創造主だから元よりそういうものなのかな? しかも、今回新たに生まれた可愛い女の子は、コーエン(ユリィカの元父親)の姪っ子なんですね。でもやっぱり、お父さんは少しだけユリィカのことを「覚えて」いそう。

ジルルダから生まれたフォージーは、恐らくジルルダとの関係性も絶たれ、ちゃんと母親になれたみたいですね。パンプルトンは、無神経控えめにしてもらえてるといいな!

ナチルのお母さんは……難しいところですが、お母さんの容姿はそのままで、受け入れてくれる旦那様が現れた、っていう解釈だと嬉しいなぁ。子供もいるようですね。コルベールのおじいちゃんは、やっぱり少しナチルを思い出していますね。恐らく、お母さんも少し覚えているんじゃないかな。

ウールーには、やっぱり自由を謳歌して欲しい。キットカットは、子供ケティと猫ちゃんに戻りました。そのあと出てくる金髪の女の子が、きっとウールーですね。

ビスマン卿はその格好のままなんかい! 彼は骨董品たちに哀愁を感じているようです。なんだか、ガレリア雑貨店で働き始めそう。お茶目な一面も出して欲しいものです。
場面変わってガレリア公、彼は変わり者の収集家のまま。ビストは「異国の女」「ビスクドール」を創り出していますね。絶対異国の女はツェツェーリアでしょう。後ろから声を掛けてきた女の子は、ペリコなのかな、と思いましたが、恐らく「ビストが思い描いていた子供」の姿なのではないでしょうか。だから多分、ペリコに似ているとは思います。
ビストは、ナチルが望んだから、そしてツェツェーリアが望んでいたから、色々「覚えて」いたのかも知れません。その女の子と一緒に暮らし始める可能性もあるかも。

ツェツェーリアやゴズは、ウルの住人では無いので居ません。だからこそ、ナチルも……なのですが。ペリコはツェツェーリアの子供の魂が宿った存在かも、とナチルが言っているので、そこはほぼ確定なのでしょうね。
もう、世界が出来上がりそう。ナチルが居なくなることは、やはり二人ともわかっていました。コウレイトウにもお礼を言ってくれる二人。ナチルとユリィカの、日常会話みたいなお別れの会話。そして、世界が生まれて――ナチルは消えてしまいます。お花を見に行こうね、という約束は、エンディングに繋がると見せかけて繋がらないのですが、本当にそんな日が来るといいな、と私は願っています。

ピアノのシーンは、里帰りの時と同じ、ですね。「一緒にやればできるから」、これは、二人でなら世界だって作れるよ、という言葉だったのかもしれません。そして、一人では作れなかった「ウル」という世界が出来上がったことこそが、ナチルが確かに「生きていた」という証、なのかもしれません。

スタッフロール後、ユリィカはコウレイトウと一緒にお屋敷の前にいます。けれども、「真の契約者」であるナチルが居なくなった(アートブック記載)ので、コウレイトウの契約は終わりになるようです。ユリィカは、ナチルを探しに行くそうです。あのナチルは消えてしまったけれど、ナチルの意思そのものはもしかしたらまだ存在しているかもしれませんし、失せ物探しが得意なユリィカなら、もしかしたら見つけることができるかも。ユリィカがウルでどういう存在なのかはわかりませんが(親も居ない状態なので)、もしかしたら創造主として、永遠に旅をしていくのかもしれません。また会えるそのときまで、またね!

最後の、マーガレットの丘のシーンは、過去のユリィカが里帰りしたときのシーンで確定のようです。でも、きっとこの時が二人で友達としていられた、一番幸せな時間だったのではないでしょうか。
閉幕を、オババ様が言ってくれるのはとっても嬉しい。オババ様が本当の主人公と言えるストーリーでしたし、オババ様の声で聞く「愛と勇気の冒険譚」は、確かに嘘じゃ無かったなぁと思えます。色々難産だったと思いますが、本当にいい物語でした!ありがとうございました。

まとめ

どうだったでしょうか。とてもとても長い文章、もし読んでいただけたのなら本当にありがとうございます。一部でも、読んで下さったのならとてもありがたいです。
これを読んだことで、少しでも何かに気づけたのなら嬉しいです。私も沢山疑問があったのですが、こうしてストーリー全体を通して考察することで、だいぶクリアになりました!
毎日隙間時間を全部ブログ書きに使って2週間くらい掛かりましたが、楽しかったし後悔はありません。みなさんも是非ガレリアの地下迷宮、2週目もやってみてくださいね。

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